「右折!右折!右折!」ってこと? やけに主張する都内の“ヘンな矢印標示”の意味とは?
交差点には直進や右折・左折の矢印が舗装にペイントされています。直進矢印から左折矢印が枝分かれしているものなどもよく見かけますが、都内には妙な矢印が。なぜか不必要にも思えるほど“同じ方向に”複数枝分かれしているのです。
必要以上に? “枝分かれしまくる”矢印標示
交差点には直進や右折・左折の矢印が舗装にペイントされています。直進矢印から左折矢印が枝分かれしているものなどもよく見かけますが、「同じ方向に、いくつも枝分かれしている」という、不思議な矢印が都内にあります。

場所は中央区、東京メトロ・都営地下鉄「人形町駅」の真上にある人形町交差点。5車線の人形町通りと、4車線の金座通りが交わる大きな交差点で、駅前のため人通りも多いです。
問題の矢印は交差点内に2つ並んでペイントされており、金座通り東行きから「直進・左折・左折」、西行きから「右折・右折・右折」と見えるように枝分かれしています。
もっとも、同じ方向に枝分かれする矢印標示自体は、たとえば左折または右折する方向に2つの道がある交差点などでは見かけることがあります。しかし、ここは脇道もないキレイな十字路なのが、謎なポイントでもあります。
これは一体何なのか、警視庁に話を聞くと、「『道路標識、区画線及び道路標示に関する命令』に定める『右左折の方法』という規制標示の一つです。『左折又は右折をした後に通行する車両通行帯に入るように左折又は右折すること』を示しています」というので、法令に基づく正式な路面標示ということになります。
ただ、現地の交通規制を見ると、この枝分かれ矢印の意味が分かってきます。実はこの人形町一体は、幹線道路も含めて、碁盤の目をなす道路網の多くで「一方通行」が敷かれているのです。
人形町交差点で交わる金座通りは双方向ですが、人形町通りは「5車線一方通行」です(両側はバス停や路駐スぺースがあり実質3車線)。つまり、同じ方向に枝分かれする矢印は、右左折した先が1車線ではなく複数車線あり、分散して通行することを明示しているというわけです。
ただ、周辺では他にも同様の交差点がありますが、警視庁によると、この「同じ方向に、いくつも枝分かれしている」矢印があるのは、久松署管内で人形町交差点だけだそう。レアな矢印標示でもあったようです。
ちなみに、日本橋の周辺道路の一方通行化は1971年3月頃に実施されたもの。このころ、大阪や名古屋など他都市でも、交通渋滞対策として都心部で一方通行化が取り入れられました。
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