戦慄の「マクハリ・ターン」 「レッドブル・エアレース千葉2016」はこう楽しめ!
唯一の日本人パイロット、室屋選手の優勝は?
千葉のレーストラックはほかと比べ直線が多く、速度が出やすい特性上、昨年の大会ではG制限を超えてしまう選手が続出。両端の「エアゲート」では肉体的に強烈な負担がかかるなか、いかに10Gギリギリで旋回できるかがタイムを短縮するカギになります。
なお、パイロンへ衝突した場合は3秒のペナルティです。特に幕張の沖合は風が強く、各選手は「エアゲート」通過時のパイロンヒットに注意しなくてはなりません。
ちなみにこのパイロンですが、わずかな衝突で簡単にちぎれるようになっており、安全面での問題はありません。ちぎれたパイロンは短時間で復帰できます。
「レッドブル・エアレース千葉2016」では、やはり唯一の日本人エアレーサー、室屋義秀選手の活躍に注目したいところです。室屋選手は昨年の千葉大会において、初戦でコースレコードを叩き出し勝利するも、「ラウンド・オブ・8(準決勝)」でG制限を超え敗退してしまいました。室屋選手は「101%の力を出してしまった」と、限界を攻める難しさを語っています。
今大会は、前回の同大会からレーストラックのレイアウトに変更が加えられており、全選手は初めて開催された昨年同様、再びゼロからのスタートになります。室屋選手、悲願の初優勝はなるでしょうか。レースは本日、2016年6月4日(土)の午後にテイクオフです。
【了】
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
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