「エンジンの位置ヘンでも売れました」な珍輸送機、なぜこの形に?→それも納得な超スペックとは
エンジンを翼上に設置したユニークな形状の輸送機たちのなかで、最初に実用化されたモデルが、旧ソ連の「An-72」です。どのようなメリットがあったのでしょうか。
ソ連機ならでは…?「An-72」がUSB配置となった理由
An-72では、USB配置とすることで、エンジンが異物を吸入することを防ぎ、未舗装滑走路からも運用できる能力を狙っていました。良好なSTOL性能と異物吸入を避けるエンジン配置は、氷上の滑走路からも運用できる能力も期待されていました。
An-72は最初の数機がアントノフのキーウ工場で作られた後、量産機がハルキウ工場で生産されました。その後、軍用輸送機として10か国で採用されたほか、民間型が8か国に採用されました。合計200機が生産されています。
An-72は改良型も登場しています。1983年に登場したAn-74です。この機は外観こそAn-72から変化はありませんが、防氷能力の強化、航法機器の拡充、燃料容量の増加などが行われ、実用性をさらに向上させています。北極圏などでの極地運航能力も強化されています。
An-74は軍用輸送機としてロシアとウクライナの2か国で採用され、民間型も3か国で採用されました。
ソ連時代のウクライナ製航空機は西側の航空ショーなどに参加することは極めて稀でしたが、ペレストロイカを掲げるゴルバチョフ書記長が就任して以降、1985年頃からパリ航空ショーなどに頻繁に参加するようになりました。このAn-74も1986年8月にカナダで開催されたアボツフォード航空ショーに参加して軽快な飛行を披露しています。
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