首都高、老朽化問題に出口無し? はたして無料化の実現は
首都高に吹いているある追い風 無料化は実現するのか?
実は、道路の老朽化対策に迫られている首都高にとって近年、ある“追い風”が吹いています。「低金利」です。
首都高は借金で建設し、料金で返済していますが、借金には金利が発生し、返済期間が長いほど金利負担は莫大になります。その金利が、ここ20年間ほど史上最低レベルにあり、最近はさらに下がっているのです。
「高速道路事業の債務返済計画における将来金利は、4%以内で推移することとしています」(首都高広報部)
高速道路の借金を取りまとめている独立行政法人 高速道路保有・債務返済機構は、借入金の平均金利を年4%と想定していますが、現在の借入平均金利は1.4%に過ぎません。仮に現在の金利水準が今後も続くと、4兆円の借金が予定より大幅に早く、あと20年少々で返せてしまいます。
もちろん遠い将来の金利など誰にも予測できませんし、だからこそ平均金利4%が想定されているのですが、当分のあいだ、金利が上昇する気配は皆無です。
つまり「低金利」という“追い風”が前提ですが、首都高が「老朽化」で破産することはなく、永遠に続く老朽化との追いかけっこは、永久に料金を徴収し続ければ「たぶん勝てる」というのが私の結論です。誕生が新しい区間は、1963(昭和38)年に開通し50年以上持った首都高1号羽田線の東品川桟橋より耐用年数が長いことも期待できます。
「高速道路はタダになるはずだろう! 永久に料金を取るなんてサギだ!」
そのような意見もあるでしょう。借金完済予定の2065年、私はもう生きていませんが、そのとき日本国の財政がとても豊かになっていて、維持修繕費をすべて税金でまかなえるか、あるいは人口が減って首都高が不要になり、取り壊しが決定していれば、首都高の無料化は、いよいよ実現することになるでしょう。
【了】
Writer: 清水草一(首都高研究家)
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。
『・・あるいは人口が減って首都高が不要になり、取り壊しが決定していれば、首都高の無料化は、いよいよ実現することになるでしょう。』って、それじゃ首都高無料化って表現はおかしいでしょう?まともな日本語表現とは思えない、(首都高研究家)なる肩書きも、こんな表現を平気で掲載してる見識かと思うと、虚しく映りますね。
これは、無料化を主張し続ける人への皮肉でしょう。
それではオーバースペックな橋をバンバン作って通行料金では借金返せませーんと開き直ったどこかの公団の二の舞でしょうね。
取り壊しが決定すれば、それ以降は耐用年数を延長するための工事が不必要になるから、借金が増えずよって無料化できる、ってことじゃないかな。
阪神大震災で倒れた高速を目の当たりにしたとき、あの汚らしくて危険な都心環状線は、撤去で問題なし。オリンピックが終われば建築会社も暇になるから、さっさと取り掛かって欲しい。
そのためには、周りの環状線を一刻も早くつなげること。
あるいはビッグディグのように、全て地下化。