「あいつ前見てないぞ!」なドライバーだけじゃない、チャリでも急増! 「ながらスマホ死亡事故」が深刻な増加 「過半数が若者」警察庁
警察庁交通局が2024年中の交通事故発生状況を分析し公表しました。全国の死亡事故は減少傾向ですが、そんな中でなぜか「自動車乗車中の携帯電話使用」による死亡・重傷事故が増加。自転車事故でも同じ傾向が浮き彫りになりました。
厳罰化で抑えられた「ながらスマホ死亡事故」 5年で倍増!?
警察庁が2024年に発生した全国の人身交通事故を分析し、2025年2月27日の国家公安員会に報告しました。近年は高齢者運転の無謀事故がクローズアップされていますが、実は“若者”も危険な運転が目立っていることが分かりました。
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罰則規定の強化で減少したとされる運転中の携帯電話使用が増加し、「携帯電話等使用」が事故原因となる第1当事者の死亡・重傷事故は、20代~30代が半数以上を占めていたことを明らかにしたのです。
携帯電話使用などによる事故に言及するために、全体の事故について振り返ります。2024年の全国死亡事故は2663人、対前年比で15人減少しました。しかし、事故発生時の「自動車(四輪車)乗車中」「歩行中」「二輪車乗車中」「自転車乗車中」の4つの状態別で分類すると、「自動車乗車中」の死亡事故死者数と割合だけが上昇しています。2024年中の状態別死者数と割合は以下の通りです。
・四輪車乗車中=876人(32.9%)
・歩行中=965人(36.2%)
・二輪車乗車中=487人(18.3%)
・自転車乗車中=327人(12.3%)
・特定小型原付乗車中=1人(0.0%)
衝突軽減ブレーキなど先進安全装置搭載が進む中で四輪車の事故死者数の減少は、全体のけん引役となってきました。増加に転じた原因分析にはさらに時間が必要ですが、警察庁は「携帯電話等の使用」が近年増加傾向にあることに注意を促しています。
携帯電話等使用の罰則は2019年の道路交通法改正で大きく強化されました。運転中の通話などの罰則は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金です。事故の誘因となった場合などは、さらに重い罰則もあります。この影響もあり、2020年の携帯電話使用などによる死亡・重傷事故は66件と抑制されました。
しかし、その後は再び減少することなく、2024年には136件まで増加しました。この数字は、四輪車の運転者が携帯電話の使用などで死亡・重傷事故を起こした「第一当事者」となった場合の事故で、歩行者を死傷させた場合を含んでいます。そのほとんどは通話ではなく、ナビやメールなど画面を注視することが原因です。
過去5年間の携帯電話使用などによる死亡・重傷事故件数の推移は以下の通りです。総件数(画像など注視/通話)。
・2020年=66件(58件うち死亡事故10件/8件うち死亡事故2件)
・2021年=77件(61件うち死亡事故13件/16件うち死亡事故2件)
・2022年=88件(78件うち死亡事故18件/10件うち死亡事故1件)
・2023年=122件(107件うち死亡事故23件/15件うち死亡事故2件)
・2024年=136件(125件うち死亡事故31件/11件うち死亡事故1件)
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