「あいつ前見てないぞ!」なドライバーだけじゃない、チャリでも急増! 「ながらスマホ死亡事故」が深刻な増加 「過半数が若者」警察庁

警察庁交通局が2024年中の交通事故発生状況を分析し公表しました。全国の死亡事故は減少傾向ですが、そんな中でなぜか「自動車乗車中の携帯電話使用」による死亡・重傷事故が増加。自転車事故でも同じ傾向が浮き彫りになりました。

ながらスマホで人を死なせてしまった若者たち

 2020年からの5年間の死亡事故率からの分析で、携帯電話などの使用によるリスクの大きさを警察庁はこう分析しています。

「交通事故の全体で死亡事故が占める割合を死亡事故率といいます。携帯電話使用しない場合と使用している場合では、この事故率で約3.7倍の差があります。(携帯電話に注意を向けていることで)前が見えていない」

 さらに、携帯電話の使用による死亡・重傷事故は、若い世代が第一当事者になるケースが「20代、30代だけで過半数を超えています」(前同)とのこと。年齢別の割合は次の通りです。(2020年~2024年合計)

・19歳以下=30件(6.1%)

・20歳代=141件(28.8%)

・30歳代=116件(23.7%)

・40歳代=100件(20.4%)

・50歳代=63件(12.9%)

・60歳=27件(5.5%)

・70歳代=12件(2.5%)

・80歳以上=0件(0.0%)

「チャリ」もかなりヤバイ傾向が…!?

 一方、自転車が関係する死亡・重傷事故の携帯電話使用も増えています。こちらは自転車の運転者が主な事故の原因となった場合(第1当事者)と、携帯電話を使用しながら事故に遭遇した(第2当事者)の両方の場合で集計したところ、ここでも2019年の法規制強化で一度下がって増加傾向であることがわかりました。

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自転車でもスマホが欠かせなくなってきている。写真はイメージ(画像:PIXTA)

 総件数(画像など注視/通話)

・2020年=12件(10件うち死亡事故0件/2件うち死亡事故0件)

・2021年=25件(17件うち死亡事故1件/8件うち死亡事故0件)

・2022年=23件(20件うち死亡事故0件/3件うち死亡事故0件)

・2023年=26件(22件うち死亡事故0件/4件うち死亡事故1件)

・2024年=28件(25件うち死亡事故1件/3件うち死亡事故1件)

 さらに、この携帯電話使用などの死亡・重傷事故の年齢別割合を見ると、若年層が突出していることが分かります。以下の件数は2020年~2024年合計。

・19歳以下=63件(55.3%)

・20歳代=22件(19.3%)

・30歳代=14件(12.3%)

・40歳代=9件(7.9%)

・50歳代=1件(0.9%)

・60歳=2件(1.8%)

・70歳代=2件(1.8%)

・89歳以上=1件(0.9%)

 運転の年齢制限がない自転車で、携帯電話の使用などによって事故に遭う運転者の過半数は19歳以下。免許取得前の交通安全教育の重要性が問われます。

【厳罰化前よりヒドイ】これが「ながらスマホ死亡事故」の実態です(画像)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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