JR最後の急行車両、SL列車に 元「はまなす」客車を4両導入 大井川鐵道

2016年3月に北海道新幹線の影響で廃止された「JR最後の急行」。それに使われていた車両が、静岡県の大井川鐵道でSL列車として走ることになりました。今回、大井川鐵道は古い車両を使うため、新しい車両を導入したといいます。どういうことでしょうか。

2016年3月まで青函トンネルを走っていた車両

 大井川鐵道(静岡県島田市)は2016年6月9日(木)、同社が運行するSL列車用として、JR北海道から14系客車を4両購入したと発表しました。

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JR北海道から静岡県の大井川鐵道に到着した、「JR最後の急行」に使われた14系客車(写真出典:大井川鐵道)。

 この14系客車は今年3月、北海道新幹線の開業により青函トンネルが通れなくなることなどから廃止された急行「はまなす」、すなわち「JR最後の急行列車」に使われていたものです。青森駅と札幌駅を夜行で結んだ急行「はまなす」が2016年3月21日発を最後に廃止されて以降、JR線で定期的に運行されている急行列車は1本もありません。

 また「客車」とは、それ自体にモーターなど動力を持たず、機関車にけん引されて走行する車両のことです。

古い車両を使うため、新しい車両を導入した大井川鐵道、その意図とは?

 大井川鐵道によると、購入の目的は「SL列車に使う客車の品質を向上され、また現在保有する旧型客車にかかる負担を分散させるため」といいます。

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2016年3月まで青森~札幌間を結んでいた急行「はまなす」(2007年12月、恵 知仁撮影)。

 同社は現在、昭和初期に製造された「レトロ風」ではなく本当にレトロな「旧型客車」と呼ばれる車両を使い、SL列車を運行しています。しかしエアコンがないなど“良くも悪くも昔ながら”で、設備面で快適とはいいづらい面があるほか、経年による劣化も避けられません。

 そこで新しい車両を導入し、旧型客車と同時並行的に使用することで、SL列車の快適性を向上させると同時に、旧型客車へかかる負担を軽減。それにより「SLが普通に走っていた時代」と同じ車両での運行を、末永く続けることを目指す、というわけです。

 14系客車は、国鉄が1971(昭和46)年より製造。優等列車(特急、急行)に使われてきたリクライニングシートを持つ車両で、今回、大井川鐵道がJR北海道から購入したのはスハフ14 502、スハフ14 557、オハ14 511、オハ14 535の4両。そのうち2両は6月9日(木)に静岡県の同社へ到着し、残りの2両は11日(土)に到着する予定です。大井川鐵道がSL用の客車を導入するのは1992(平成4)年以来、24年ぶりだといいます。

 またこの14系客車は、2017年6月から大井川鐵道で使用される計画です。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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コメント

2件のコメント

  1. 14系が保存されることは、嬉しいのですが、『窓が開かない』ことが、SL 列車用としては難点です。JR 北海道では、車掌車など煙を感じられるようになっていたのですが・・・・・・・。カーペットカーもついでに保存して、欲しい❗

  2. あのラフターは何㌧かな?ジブの油圧ジャッキが2本じゃけぇ50㌧じゃと
    思うけど。

    まぁ50以下ではないじゃろうけぇのう。