同じ自衛官なのに全然違う!「緑迷彩まとう船乗り」の本音とは「染みついた陸自のクセ早く直さなきゃ」
陸海空3自衛隊共同の部隊として2025年3月に新編予定の「自衛隊海上輸送群(仮称)」。新部隊を支えるための要員らの教育を広島県で取材してきました。新たに船乗りになろうとする陸上自衛官らの本音とは。
陸上自衛官が船を運航するということ
自衛隊海上輸送群の隷下には、中型級船舶を運用する輸送隊と小型級船舶を運用する輸送隊の2コ海上輸送隊が新編されます。なお、人員は自衛隊海上輸送群の司令部に10人、2つ設けられる海上輸送隊の本部に各10人ずつ配置されるため、輸送艦がLSV1隻とLCU3隻の計4隻になる2026年3月末には160人規模へと拡充されます。また、にほんばれ型LCUが3隻揃ったあとは、LSV部隊が呉地区に、LCU部隊が海上自衛隊阪神基地に配備される予定です。

同部隊で運用を担う陸自隊員は、「しもきた」をはじめとしたおおすみ輸送艦で操艦や見張り、ディーゼル機関の運転・整備といった勤務に従事しているほか、運航要員は広島県江田島市の第1術科学校、機関要員は神奈川県横須賀市の第2術科学校に入校し教育を受けています。1術校では課業行進で編成されるラッパ隊の訓練の様子を見ることができました。
「陸自では会計科で主に経理などのデスクワークを十数年続けてきた」と話す大内 匠3等陸曹は「自分の陸自での人生を変えたいと思い、思い切って自衛隊海上輸送群の勤務を希望した」とのこと。
彼いわく「旧海軍兵学校だった伝統のある場所で教育を受けるとは思っていなかったので、身の引き締まる思い」だそうです。また、吉峯 陸3曹はラッパを吹くのがとても難しいと答えつつ、「儀式の時や毎日の国旗の上げ下ろしでも使用するもので、とても大事だと思う」と語っていました。
「陸自と海自は違うが、お互い良い刺激を受けて生活できていると思う。航海に出た時に陸とは違う景色を見られたり、新しい刺激をもらえたりする点が、海で勤務する良さだと感じる」(吉峯3曹)
「陸上自衛官がしっかりと船を運航できるということを見せ、国民の皆さんに安心してもらえるような勤務をしていきたい」(小泉2尉)
冒頭に記したように自衛隊海上輸送群が発足するのは2025年3月。間もなく自衛隊でこれまでなかった新部隊が姿を現します。
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