米の次世代戦闘機「F-47」なぜいま発表? 「既存機じゃ中国に勝てない」が“表向きの理由”か 真の意図を読み取る
トランプ大統領が次世代戦闘機「F-47」の開発契約締結を発表。なぜ今、計画を具体にしたのでしょうか。直前には中国を念頭に置いた報告書も出されていますが、トランプ氏を急がせた“裏の理由”がありそうです。
「F-47」ついに発表! あれ、似てる…
アメリカ合衆国政府は2025年3月21日、同国空軍が運用しているF-22戦闘機を後継する次世代航空支配(NGAD)を「F-47」と命名し、開発契約をボーイングと結んだと発表しました。

筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は日本時間の22日の午前1時すぎにこの発表を目にしたのですが、命名と開発契約の締結を発表したドナルド・トランプ大統領の傍らでディスプレイに映し出されたF-47のレンダリング(データから画像を生成する技術)画像を見て、少し拍子抜けしてしまいました。
というのも、10年以上前に発表された別の戦闘機「F/A-XX」のイメージに似ていたからです。
F/A-XXはアメリカ海軍が運用しているF/A-18EF「スーパーホーネット」を後継する新艦載戦闘機で、ボーイングはその受注にも積極的に取り組んでいます。ボーイングのF/A-XXに対する取り組みは2010年代前半から開始されており。2013年にワシントンD.C.で開催された海洋防衛イベント「シー・エアー・スペース2013」で、F/A-XXのレンダリング画像が発表されました。
そして今回発表されたF-47のレンダリングは、主翼に上反角が設けられている点や、機種部に揚力を向上させる効果を持つカナード翼が追加されている点などは異なるのですが、機種部などのデザインは2013年当時のF/A-XXのレンダリングと似ています。
また、高いステルス性能や、長い航続距離、「CCA」(Collaborative Combat Aircraft:協調無人戦闘機)と呼ばれるUAS(無人航空機システム)と行動を共にするといった特徴も、日本・イギリス・イタリアの「GCAP」、フランス・ドイツ・スぺインの「FCAS/SCAF」といった第6世代戦闘機、さらに言えばF/A-XXが掲げている目標とも大差ありません。
トランプ大統領が「世界初の第6世代戦闘機」と豪語するわりに、現時点で目新しい点は感じられなかったと言うのが、正直なところです。
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