「F-16は購入しない」政権交代などが影響!? 選ばれたのは“コスパ重視”北欧戦闘機 コロンビア
政権交代も実は影響している?
F-16が最有力だったと思われたが意外な展開に
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は2025年4月3日、空軍用の次期戦闘機としてスウェーデンのサーブ「グリペンE/F」を選定したと発表しました。

ペトロ大統領は、公式Xで「取得する戦闘機は、最新技術を駆使した完全な新型機であり、すでにブラジルで導入されているサーブ39『グリペン』です。スウェーデン王国政府によって署名された意向書に従い、国の戦略的防空を優先プロジェクトとして承認したことをお知らせします」と明かしました。
購入する機体数については言及していませんが、コロンビアや南米メディアによると、16~24機が調達される予定とみられています。
コロンビア空軍では、旧式化したイスラエル製の「クフィル」戦闘機を置き換える機体を探しており、「グリペン」のほかに候補としてアメリカのF-16(最新型のブロック70)やフランスのダッソー「ラファール」などが挙がっていました。
当初はF-16が対米関係を意識し、新型戦闘機の最有力候補とされていました。しかし新型コロナウイルスに起因した不況による国防予算圧迫などが影響し、2021年に一時棚あげになりました。
その後政権交代が起き、左派政権の代表であるペトロ大統領が就任すると、これまでの親米路線を転換し、さらにF-16購入の可能性は薄くなりました。
ただ、F-16を購入した場合、基地のインフラ整備や近代化も必要となるという懸念もあったようで、必ずしも対米関係の変化で購入先が変わったという訳ではないようです。
グリペンは軽量な機体で離陸距離も短いため、基地の大きな改修は必要ありません。また、機体に関しても整備性が高く故障も少ないため、運用コストは同じく候補にあがっていた「ラファール」の半分程度で済むという報道もあります。予算不足に悩んでいるといわれているコロンビア空軍としては、適任と言える機体かもしれません。
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