チャイルドシートを「助手席に付けてる人」今すぐやめるべき!? 子どもを危険にさらす“誤解” 春の交通安全運動の争点に
春の全国交通安全運動では「チャイルドシートの適切な使い方」が注意喚起されています。チャイルドシートを使用せずシートベルトが子どもの命を奪った事故も起きましたが、チャイルドシートも使いかたを誤れば大きなリスクになります。
助手席チャイルドシートはダメ!
菱川氏の研究によると、乳児用チャイルドシートの座席別損傷主部位で、頭部や頸部に影響があるとされた死亡重傷者の割合は、前席で66.7%、後席で約47.4%。前席のほうが圧倒的に頭部・頸部にダメージを与えることが多いという結果が出ています。

運転者一人だけで乳児を同乗させる場合、助手席に取り付けてあると、振り返らずに子どもの顔が見られる気もしますが、後席への取付けが安全です。
チャイルドシートを前向き取付けに切り替えて、チャイルドシートを卒業すると、こんどはジュニアシートで身体全体を持ち上げて、車体に装備されたシートベルトで身体を固定する段階です。
「6歳が過ぎても、身長が150cmぐらいになるまでは大人用シートベルトは身体にフィットしません。子どもが成長してからも、シートベルトが骨格に作用する体格になるまでは、ジュニアシートを使用してください」
ジュニアシートを外して着座し、大人用シートベルトを装着した場合、座高が足りずに肩ベルトが首にかかっていたり、腰骨で固定すべき腰ベルトがお腹の上を通っているような場合は、目安となる年齢に達してもいてもジュニアシートを使うべきだと菱川氏は話します。
適正にシートベルトやジュニアシートを装着していたとしても、助手席での使用はやはりNGです。乗車位置別の死亡重傷率は、助手席が運転席よりも高いと、菱川氏は全年齢の死傷者数分析で結論づけています。子どもの乗車について、次のような米国の目安を掲げます。
「米国運輸省道路交通安全局とメーカー、保険会社などによる安全キャンペーンでは、こんなメッセージがあります。『12歳以下の子どもは後部座席のほうが安全』」
ハーネスが緩んで「重傷」目立つ
チャイルドシートは、シートの取付け方法そのものの誤りも目立っていたといいますが、これは「新基準の取付け方法がISOFIX方式のみに変わったので、誤使用減少が期待できる」(菱川氏)とのこと。
ただ、子どもを座らせたあと、「ハーネスの締め付け」「ハーネスの高さ調節、ねじれ、よじれ」「背もたれの角度」などが不適切なケースの方が多いことも明らかになっています。
「2歳~5歳で適正使用時と誤使用時の損傷主部位(2013~2022年)を比較すると、適正使用では頸部、頭部、顔部の軽症が多い、ものの、誤使用では、頭部、顔部で軽症に加えて、重傷の割合もめだってきます。衝撃でハーネスの締め付けが緩み、前席シートに衝突する恐れがあるためです」(菱川研究員)
小さな子供のいる人は、チャイルドシートの説明書の再確認や、動画説明を利用した見直しが必要かもしれません。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
欧州車の助手席にエアバッグをOFFにするエアバッグスイッチ機能が備わってるぐらいチャイルドシートにエアバッグは危険だからな
150センチを超えるまでは、って、いくつまでだろう。自分は大人になっても超えてないし。逆に、後期高齢者の親は身長が縮んで、下回ったし