英国海軍「空母用の新型“空飛ぶレーダー”案を募集します!」ヘリ型は2029年に退役 新しい機体の形は?

空母にとっては重要な機体。

2029年の運用終了に備えた案を募集

 イギリス国防省は2025年4月9日、クイーン・エリザベス級航空母艦に搭載可能な新型早期警戒機の検討を始めました。

Large 20250411 01

拡大画像

クイーン・エリザベス級航空母艦(画像:イギリス海軍)

 空母「クイーン・エリザベス」と姉妹艦の「プリンス・オブ・ウェールズ」には現在、早期警戒機として、搭載型早期警戒システムのクロウズネストを搭載したマーリンMk.2ヘリコプターを使用していますが、同機は2029年に運用を終了する方針です。そのため、同機に代わる24時間持続の空中監視システムを求めています。

 同国国防省の発表によると、新型早期警戒機を検討する理由について「このシステムの主目的は、空母打撃群に対し、最新の対艦誘導兵器や攻撃機を含む困難な空中および地上の脅威に関する十分な警告を提供し、効果的な脅威への対抗行動を可能にすることである」と説明。そのうえで関係企業などに情報提供依頼(RFI)を求めています。期日は2025年5月6日です。

 その後、適切と判断されたプロジェクトに関しては、通常の手続きで入札などが行われる可能性があるとのことです。

 ただ、「この通知は差し迫った調達の開始を知らせるものではない」と記載されており、「価格とスケジュールは市場との関わりを通じて調整され、現段階では5億ポンド~15億ポンドの費用と、2026年5月~2027年5月の契約開始日、2030年~2035年のサービス開始が予想されています」としています。

 なお、クイーン・エリザベスは、カタパルトとアレスティング・フックを装備していないスキージャンプ式空母であるため、米仏製原子力空母が使用しているE-2C早期警戒管制機は搭載困難です。そのため、固定翼機の場合は、甲板に簡易的なカタパルトを追加装備し、無人機の運用なども考慮に入れているようです。

 早期警戒機は、上空から監視を行うため、特に地上や艦載のレーダーでは水平線の影になり探知不能となる低空飛行の目標について遠距離から発見することに優れており「空飛ぶレーダー」とも呼ばれます。

【画像】え、ヘリに黒いバケツが付いてる!? これがマーリン Mk.2ベースの空中警戒機です

最新記事

コメント