4時間のフェリーを「宿代わり」にできる!? 珍サービス始まった“うどん県”行きフェリーが超快適だった件

神戸三宮と四国の高松を結ぶ「ジャンボフェリー」。1990年就役の「りつりん2」と、2022年就役の「あおい」というそれぞれ特徴がある新旧2隻で運航されています。船を宿代わりにする「ふね泊」も始まったこのユニークな航路を紹介します。

平成初期生まれの相棒船も趣あり

 3階は、プレミア席とゲームコーナーが備わるエリア。プレミア席のうち、「のびのび席ANNEX」は2階自由席(のびのび席)より横幅が4cm広い72cmに。また、「のびのび席 女性専用」は、カーペット敷きである点は同じですが、QRチケットがないと入れないため、安心して利用できます。

 4階は芝生の広場です。「空のテラス」や、プレミア客専用の展望デッキ「光のテラス」があります。屋上の「空のデッキ」では、昼間で天気が良い日は、頭上を通り過ぎる明石海峡大橋も楽しめます。

 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、小豆島で「あおい」を降り、もう一つのジャンボフェリー「りつりん2」で高松に戻ります。

 前述したように、「りつりん2」は1990(平成2)年生まれのベテラン船ですが、うどん販売やプレミア席、のびのび席といった基本構成は「あおい」と似ており、それほど遜色ないサービスが受けられます。

 その中で、トイレが改装され、最新式になっていたことは特筆されます。バリアフリーやオシャレさ、多彩な設備では「あおい」が上ではありますが、今では貴重になった平成初期のフェリーであり、レトロな船旅を堪能できます。

「ジャンボフェリー」は設備が豊富で、うどん売店などの人的サービスも魅力的な船でした。なお、「あおい」限定ですが、4月から神戸19時台発の便で高松に行き、そのまま下船せずに折り返すことで、翌朝5~7時台に神戸で降りられる「ふね泊」が始まりました。

 サービスの対象は、「バルコニー個室」(1~6人用、1室9990円。乗客1人につき+1990円)、「ファミリー個室」(1~6人用、1室7990円。乗客1人につき+1990円)、「ロフト個室」(1~3人用、1室4990円。乗客1人につき+1990円)のみですが、子どもの追加料金は1人1000円ですし、宿泊施設不足の神戸ですから、宿代わりに使うのも楽しそうです。

【暮らせそう?】神戸~高松フェリーの充実船内をたっぷり見る(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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