国内初の「完全個室フェリー」に乗ってみた! 8時間の中距離航路はどれだけ豪華なの!?
大阪と愛媛を8時間で結ぶ、四国オレンジフェリーの関西航路。約240kmという距離ながら、設備は長距離フェリーにも劣らない完全個室化も実現した航路です。
コンセプトは「動く海上ホテル」その名の通り!?
四国開発フェリー、愛称「オレンジフェリー」は、関西~四国航路と四国~九州航路を運航しています。このうち関西航路の大阪南港~東予港(愛媛)で運航される「おれんじえひめ」「おれんじおおさか」は、国内初フェリーとして初の「全室個室化」を実現した船です。
オレンジフェリーの関西航路は、1972(昭和47)年に運航を開始。当初は3000総トン程度の中型客船でしたが次第に大型化し、1994(平成6)年の「おれんじ7」で総トン数9917トン、展望浴室の付いた特別室や、展望室「スカイラウンジ」、充実したレストランなど、長距離フェリーにも劣らぬ豪華仕様となりました。
そして現行船の「おれんじえひめ」「おれんじおおさか」は2018(平成30)年に就役。それまでの豪華仕様を踏襲し、「動く海上ホテル」をコンセプトに設計されました。1万4749~1万4759総トン、全長199.9m、全幅27.5m、航海速力19ノット(約35.2km/h)とさらに大型化し、前出の通り全室個室化を実現しました。約240km、所要8時間の航路としては充実した船型です。
筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2024年11月、東予港より「おれんじえひめ」に乗船しました。JR予讃線の松山駅や壬生川駅から連絡バスが運行され、利便性が高い航路です。
船内において特筆すべきは、1人用個室が充実していること。基本となる「シングル」は、床面積3.45平方メートル、寝台幅は長さ210cm、幅85cmです。コンセントやデスク、椅子、鏡、スリッパも備わります。女性専用ルーム、ドライバーズルーム、壁が可動式のコネクティングルームとなったバリアフリー型や「シングル+」もあります。「シングル+」は寝台幅は80cmですが、2段寝台で2人利用が可能です。
その上位設備が、1人用で最も人気といわれる「デラックスシングル」です。床面積8.9平方メートルは「シングル」の倍以上。寝台は長さ210cm、幅100cmとゆったりしています。「シングル」と異なり、洗面台、アメニティグッズ、浴衣、テレビ、クローゼット、加湿器(季節による)、側窓が備わります。内鍵だけの「シングル」に対して外から鍵がかけられるのも利点でしょう。
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