「ドンッ!バタンッ!」とクルマのドアを閉める人/注意深く「スッ」と閉める人 なぜこうも違うのでしょうか?
クルマのドア閉めの際に発する大きな音は、周りの人にストレスを与えるケースもあります。一方、音が出ないよう注意深く閉める人も。ドアの閉めかたは、複合的な要因が絡み合う要素のひとつのようです。
車種によって異なる「ドアの閉まりやすさ」も原因の一つ
私ごとの切実な悩みです。仕事場のマンション1階が食品倉庫となっており、特に早朝の時間帯には配達の軽ワゴン車が頻繁に出入りします。その際、ドライバーさんのドアの開け閉めが多く、中には「ドンッ!」「バタンッ!」と大きな音を立ててドアを閉める人もおり、そのたびに強いストレスを感じます。一方で、音が出ないように注意を払ってくれるドライバーさんもいて、そのような人の動きには全く不快感を覚えません。

そこで思うことが「クルマのドアの開け閉め」において、静かに行うドライバーと、乱暴に音を立ててしまうドライバーとでは、どのような心理的な違いがあるのでしょうか。交通心理士で近畿大学物理工学部准教授の島崎 敢先生に解説してもらいます。
島崎先生は「あくまでも一つの解釈です」と前置きしたうえで、次のように解説してくれました。
「大前提としてクルマのドアは、『ある程度の力』で閉めないと半ドアになってしまう構造になっています。そのため、大きな音を立ててドアを閉めるドライバーの方には『とりあえず思いきり強く閉めておけば良いだろう』という心理が働いている可能性は高いと思います。特に、日常的に車を使っていて、過去に何度も半ドアを経験している人ほど、『強く閉めておけば間違いない』という感覚が身についているのではないでしょうか。
また、『強く閉めるつもりはなかったが、結果としてそうなってしまった』というケースも考えられます。というのも、ドアの閉まりやすさは車種によって大きく異なります。軽自動車、ミニバン、大型トラックでは当然感触が違いますし、同じクルマでもドアの位置(運転席・後部座席、スライドドアなど)によっても手ごたえが変わることがあります。ドライバーの方が、普段乗っているクルマの感覚で仕事用の軽自動車のドアを閉めた場合、思った以上に音が大きくなってしまうことも、十分にあり得るでしょう」(島崎先生)
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