「まるで車のオートクルーズ」 ヤマハの進化版“電動ボート”を体験 モーター推進&ゲームみたいな操船 いよいよ国内投入

ヤマハ発動機は2025年6月、電動操船システム「HARMO(ハルモ)」の新モデルを国内市場に投入し販売を開始しました。ボートなどの船外機の電動化ですが、同社は“マルチパスウェイ”を掲げます。

価格は? ターゲットは遊覧船

 小売価格は、ヘルムマスターEXなどの周辺機器を含み333万3000円。対象となるボートサイズは、1機掛けで全長6m~7m、2機掛けで9m~11m程度が適しているとされています。

 運河や河川など低速でゆっくり航行する遊覧船をターゲットとしており、国内では旧型「HARMO」での運航実績がある「小樽運河クルーズ」や、2025年11月から新艇を導入予定の「ひょうたん島遊覧」(徳島市)での搭載を見込んでいます。

 またヤマハ発動機は2025年10月から「横浜e-Project」として、みなとみらい地区で新型「HARMO」搭載の新設計ポンツーンボートによるクルージングの提供を行います。このプロジェクトは国内のマリンレジャー活性化が目的で、若年層や女性をターゲットに、eBike乗車体験ができる「Yamaha E-Ride Base」と連携して陸と海を融合した新たな活動を目指します。

 新型「HARMO」の年間の販売台数について吉田部長は「今出したばかりなので、どれだけ伸びる分かっていない」と前置きしつつ、「お話をいただいている小樽、竹芝、徳島での採用を考えると、年間でそのぐらいから始められると思っている。100台、200台というレベルではないが、地道に広めていきたい」と述べました。

 電動の船外機は近年、ライバルであるホンダやスズキも打ち出しています。そうしたなかでヤマハ発動機は、“マルチパスウェイ”方針に基づいた開発を推進。新型「HARMO」は電動推進機として、低出力領域でのCO2排出量削減に貢献する一方、より高出力が求められる領域では、水素エンジンや燃料電池、バイオ燃料、合成燃料などのアプローチも検討しており、用途や環境に合わせた最適な方法の実現に取り組んでいくとしています。

【え、操船部これだけ!?】新型HARMOと“ゲームっぽい操船部“(写真で見る)

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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