いまだに見かける!「米国製ミニバン」大ヒットしたのお忘れか? 日本で売れる “アメ車の法則” とは

トランプ米大統領による追加関税措置の発動宣言以来、ネット上ではアメリカ車をバッシングし、「日本では売れるわけがない」という声が溢れています。しかし、過去には日本で一大ブームを巻き起こしたアメリカ車もありました。

所ジョージの愛車になったら露出増えてブームに

 ダッジ「キャラバン」やプリマス「ボイジャー」といったクライスラー製ミニバンが、モノコックボディのFFレイアウトを採用していたのに対し、商業利用も考慮したシボレー「アストロ」はフレームボディ構造で、駆動方式にはコンベンショナルなFRレイアウト(4WDの選択も可能)を採用していました

Large 20250620 01

拡大画像

タレントの所ジョージ氏の影響もあって、若者を中心に1990年代に一大ブームとなったシボレー「アストロ」。日本車にはない個性と扱いやすいサイズ、手頃な価格という条件が揃えば、アメリカ車だから売れないということはない(画像:シボレー)。

 全長はショートボディが4.5m、ロングボディは4.8mとライバル車とほぼ同サイズながら、積載性を重視して20cm以上も高く、車幅は2mをわずかに切るサイズのミニバンとして誕生しています。

 搭載エンジンは2.5リッター直列4気筒OHVもしくは、4.3リッターV型6気筒OHVのいずれかを選択することができましたが、のちに日本へ輸入された車両はV6搭載モデルがほとんどでした。

 日本で「アストロ」がブームとなったのは1990年代前半のことで、アメ車好きとして知られるタレントの所ジョージ氏が、並行輸入車を購入し、愛用したことがきっかけです。売れっ子の彼が愛用したことで、その認知度は芸能界を中心に急速に広まっていきました。そして、彼が出演するTV番組や雑誌などでたびたび紹介されたことにより、流行に敏感な若者の間で人気に火がつき、当時の円高ドル安を背景に姉妹車のGMC「サファリ」とともに「アストロ」の購入者が急増。並行輸入が盛んに行われるようになりました。

 GMの正規インポーターであったヤナセは、当初このブームを静観していましたが、最盛期には年間1万台が並行輸入されるようになるとようやく重い腰を上げ、1995年に「アストロ」が2代目へとモデルチェンジしたタイミングで正規輸入を開始します。

 ただし、正規輸入車は上級グレードでありながら、角形2灯ヘッドランプを持つ廉価グレードの「トラックマスク」となったことから、並行輸入車は依然として高い人気を保ちました(1999年から北米仕様と同じフロントマスクに変更)。なお、モデル末期の2004年からはスズキでも販売をスタートしています。

【写真】これがシボレー「アストロ」誕生のキッカケとなったライバル車です

最新記事

コメント