いまだに見かける!「米国製ミニバン」大ヒットしたのお忘れか? 日本で売れる “アメ車の法則” とは

トランプ米大統領による追加関税措置の発動宣言以来、ネット上ではアメリカ車をバッシングし、「日本では売れるわけがない」という声が溢れています。しかし、過去には日本で一大ブームを巻き起こしたアメリカ車もありました。

身近なアメ車として日本人が愛した「アストロ」

 アメリカでの「アストロ」は日本の軽バンのようなポジションのクルマで、車体の小ささから電気工事や内装業、小口配送などといった業務でも使用されるクルマでした。

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2代目シボレー「アストロ」のインテリア。荷室容積が広く、維持費低減のため、サードシートを外して「1ナンバー」の中型貨物として登録することが流行した。アメ車を安く維持するのに貨物車登録は現在でも有効な方法だ(画像:シボレー)。

 そのため、並行輸入業者のなかには数十万kmを走り、ボロボロになるまで酷使されたポンコツ車の内外装に手を入れ、見栄えだけを良くした中古車を販売する者まで現れます。そうした並行輸入の中古車は故障も多く、経年劣化で性能や機能面で難のあることが多く、結果的に「アストロ」の評判を落とすことになりました。

 しかし、本来の「アストロ」はタフで丈夫な設計のクルマであり、燃費性能も街乗りで5~6km/L程度、高速で7~10km/L程度と、2tを超える車重と排気量を考えればそう悪いものではありません。ちなみに1997年に登場した初代日産「エルグランド」の実燃費は「アストロ」の半分程度でした。

 本国では「便利な商用車」としての価値しか見いだされなかった「アストロ」ですが、その個性と魅力に気がつき、このクルマを愛し、遊び尽くしたのはむしろ日本人だったと言えるでしょう。こうして熱烈なファンが付くようになった「アストロ」は、生産終了から20年が経過した現在でも、MOONEYES主催のカーショーなどで、個性豊かにカスタムされた車体を多数見ることができます。

 なお、現在では再び「アストロ」の人気が高まっているようで、ここ数年で中古車相場は上昇し、コンディションの良い個体は300万円を超える高値で取引されるようになっています。

 日本で一大ブームを起こした「アストロ」からもわかるように、アメリカ車だから売れないのではありません。アメリカ車らしい個性を持ちながらも、日本国内でも使いやすいサイズで、なおリーズナブルな価格設定の新車があれば売れるのです。そうした、日本車や欧州車にはない個性を持つ使い勝手の良いモデルを輸入する、そうした目利きが必要だと言えるでしょう。

【写真】これがシボレー「アストロ」誕生のキッカケとなったライバル車です

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

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