韓国兵器“爆買い”の次は日本に熱視線? なぜ東アジアに注目するのか EUの「親米国」変化

これまでアメリカ製兵器の導入を進めてきたポーランド、しかしその状況は大きく変わりつつあるといいます。一方で、ポーランドとの防衛協力が近年大きく進んでいる日本に対しては、ポーランドの防衛産業が熱視線を向けているようです。

日本に熱視線 展示会に持ち込まれた注目兵器とは

 ポーランドは国内防衛産業の維持成長のため、防衛装備品の輸出や共同開発にも取り組んでおり、その対象国の一つとして、東アジアの主要国である日本へも熱い視線を注いでいると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

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PGZがDSEI Japan2025で展示した歩兵戦闘車「BWPボルスク」の模型(竹内修撮影)

 2025年5月21日から23日まで千葉市の幕張メッセで開催された総合防衛イベント「DSEI Japan2025」には、国内外の多くの企業が出展していましたが、その中にはポーランドのUAS(無人航空機システム)メーカーの「WBグループ」と、国営防衛企業「PGZ(POLSKA GRUPA ZBROJENIOWA)」の姿もありました。

 WBグループが出展した徘徊型弾薬(自爆突入型ドローン)「ウォーメイト」は、2025年6月の時点でポーランドを含む8か国で運用されており、ウクライナ戦争では少なからぬ戦果を上げています。また、PGZは弾薬など各種防衛装備品を出展していましたが、その中にはPGZの子会社が開発し、2025年から量産が開始されたばかりの歩兵戦闘車「BWPボルスク」の模型も含まれていました。

 陸上自衛隊が「小型攻撃用UAV」の名称で徘徊型弾薬の導入計画を進めていますが、ウォーメイトは陸上自衛隊が要求している能力を充足しているものと考えられます。

 また陸上自衛隊は老朽化した89式歩兵戦闘車を後継する装備品の導入も検討しています。防衛装備庁は必ずしも国産に固執せず、外国製品の輸入なども視野に入れているため、BWPボルスクの模型の展示は、その商戦にアピールする狙いがあったものと思われます。

 これは第二次世界大戦勃発前の話ですが、旧ソ連という共通の国防上の脅威を抱えていた日本とポーランドは、情報分野などで積極的な防衛協力を行っていました。ポーランドが第二次世界大戦後に共産主義国家になってしまったこともあって、長らく日本との防衛協力は行われていませんでした。しかし、現在は定期的に防衛当局間協議を行うなど、積極的な防衛協力を行う国の一つとなっています。

 防衛協力の深化がすぐに防衛装備品の輸入や共同開発に繋がるというわけではありませんが、ポーランドは防衛装備品で協力していくパートナーの一つとして、真剣に検討する価値はあると筆者は思います。

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Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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