飛行機の「巨大な皿、まな板、こぶ」もう不要!? 空飛ぶレーダーサイト、時代は「無人機」へ 日本も注目?

米GA-ASIとスウェーデンのサーブが、早期警戒機型のUAS(無人航空機システム)を共同開発します。一体どの国に狙いを定めているのでしょうか。大きなレーダーシステムを搭載した有人機という早期警戒機のイメージも変わりつつあります。

英空母の早期警戒機更新が背景に

 まもなく来日する「プリンス・オブ・ウェールズ」をはじめとするイギリス海軍のクイーン・エリザベス級空母2隻は、2025年6月現在、早期警戒管制システム「クロウズネスト」を搭載するマーリンMk.2(AW101)ヘリコプターを、早期警戒機として搭載しています。

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イギリス海軍の早期警戒機型のマーリンMk.2。右側の黒い突起がレドームの役割を担う(画像:イギリス海軍)

 クロウズネストはヘリコプターに搭載する早期警戒システムとしては世界的に見てもその性能はトップレベルですし、そもそも2021年3月に就役したばかりなのですが、イギリス国防省は2025年1月に、早期警戒機型のマーリンMK.2を退役させる方針を決定しています。

 就役まもない早期警戒機型のマーリンMk.2を退役させる理由として、イギリス国防省はプラットホームがヘリコプターであるが故に航続距離が短く、上昇限度が固定翼機に比べて低いため、固定翼機型の早期警戒機に比べて捜索可能な範囲が短いことなどを挙げています。マーリンMk.2では、今後クイーン・エリザベス級に求められるであろう任務の達成が困難になると見ています。

 この早期警戒機型マーリンMk.2の後継機には固定翼機型UASが充てられる予定となっており、GA-ASIとサーブのMQ-9Bをベースとする早期警戒機の開発協力は、イギリスの需要を狙ってのことと考えられます。

 クイーン・エリザベス級空母で運用される計画の固定翼UASは「ビクセン」と呼ばれており、まだ機種選定は行われていませんが、イギリスのマリア・イーグル国防副大臣は2025年6月、MQ-9Bがクイーン・エリザベス級空母で運用可能であることは確認されており、GA-ASIとサーブが協力して開発する早期警戒機が有力な選択肢になり得ると述べています。

【え…!】巨大な皿もまな板もない! これが「早期警戒機型の無人機」です(写真)

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