姫路モノレール「大将軍駅」、解体前に48年ぶり一般公開 700人が惜しむ声
かつて姫路市内を走っていた「姫路モノレール」。その唯一の中間駅だった大将軍駅が解体を前に一般公開されました。単線の軌道がビルを“貫く”特徴的な駅の構造をひと目みようとたくさんの応募があり、参加者からは「今後も残してほしい」などの声が上がっていました。
定員700人で倍率10倍以上の人気ぶり
兵庫県姫路市は2016年8月13日(土)と14(日)、同市内をかつて走行していた姫路市交通局モノレール線(姫路モノレール)の大将軍駅を2日間限定で一般公開しました。
姫路モノレールは1966(昭和41)年に開業。姫路(起点)〜手柄山(終点)間およそ1.6kmを結んでいましたが、利用客数の低迷などにより1974(昭和49)年に休止、1979(昭和54)年に廃止されました。すでに多くの箇所では橋脚などの撤去が行われていますが、軌道が当時のまま残されている場所もあります。
1968(昭和43)年まで使われていた唯一の中間駅、大将軍駅も残存設備のひとつ。同駅のホームは高層ビルの4階部分に設置され、単線の軌道がビルを“貫く”特徴的な構造ですが、長い間構内を見学することはできませんでした。しかし今夏にビルの解体が始まることから、今回の見学イベントが企画されたといいます。
姫路市によると、8月13日(土)と14日(日)の2日間で400人の参加者を募集したところ応募が殺到。定員を700人に増やしましたが、9000人以上から応募があり最終倍率は10倍以上という人気ぶりに。参加者からは「昔乗った以来だったので嬉しい」「ロッキード式は特徴的なものなので今後も残してほしかった」などの声が寄せられたそうです。
「ロッキード式」とはモノレールの方式のひとつで、コンクリート製の軌道の上にさらに鉄のレールを1本敷き、その上を鉄の車輪で走るものです。日本ではこの姫路モノレールと、小田急電鉄の向ヶ丘遊園モノレール線(2000年休止、2001年廃止)でこの方式が採用されていました。
なお9月22日(木・祝)には「姫路モノレール開業50周年シンポジウム」が開催予定。参加申し込みは往復はがきで8月22日(月)まで受け付けます。
【了】
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