ドラゴンズ選手も困惑!? 右折レーンの“右”に直進! 名古屋の複雑交差点なぜできた 「なにこの道路!?」「ちょっとびっくりしました」

直進レーン、右折レーンの右に、さらに直進レーンがあるという名古屋市内の交差点が話題に。この変則的な車線配置、実はバスのために設けられたものです。

初見だと困惑する車線配置

「通勤していたら、左折・直進・右折・直進とあって、“なにこの道路!?”と戸惑いました」

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基幹バスレーンのある出来町通(乗りものニュース編集部撮影)。

 2025年6月に放送されたCBCテレビの「サンデードラゴンズ」では、同月に中日ドラゴンズへ移籍し、名古屋に引っ越した佐藤龍世選手の特集が放送されました。その中で、名古屋特有の「バスレーン」について触れた場面がありました。

 このバスレーンとは、「基幹バス」と呼ばれる系統が走る「道路の中央に設けられた専用レーン」のこと。名古屋ならではの独特の構造となっており、初見では戸惑う人も少なくありません。実際、2023年12月6日に中日ドラゴンズへ移籍した中田翔選手も、入団会見で「バスレーンにはちょっとびっくりしました」と語っています。

 大津通と出来町通にある基幹バスの「中央走行区間」では、バス停も道路脇ではなく中央部に設けられており、交差点の横断歩道からバス停に向かう構造となっています。

 このため、バス停がない交差点では、右折レーンの右側に直進のバスレーンが並ぶ箇所があります。これが佐藤選手のいう「左折・直進・右折・直進」の車線配置です。バス停のある交差点でバスは停留所の右側を走行するため、あたかもバスレーンが中央分離帯を越えて反対車線側にせり出すように見える箇所があるのです。

 基幹バスのシステムは1980年代に構築されました。路面電車のような構造をバスの走行環境に応用したシステムといえ、バスレーンを道路の中央寄りに設けることで、バスが路上駐車車両や左折車両などの影響を受けずに走れるため、定時性の確保につながっています。

 ただ、慣れないクルマのドライバーなどは戸惑ってしまうかもしれない、というのは、名古屋市交通局も以前の取材時に認めたところ。このバスレーンは朝夕は「バス専用」であるものの、それ以外の時間帯は「バス優先」なので、一般車も走行できます。現地では、右折待ちのクルマを“右から直進車が追い越していく”という、ここならではの光景も日常的に見られます。

 ちなみに、基幹バスには2025年3月からEVバスや燃料電池バスも投入され、アップデートされています。

【なるほど!】変則的な車線の理由 「基幹バス」画像で見る

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