「HIMARS」パクった!? トラック型ロケット弾発射機フランスが開発なぜ? 実は長い目で見た国防戦略でした
ロシアによるウクライナ侵攻で、注目を集めたアメリカ製兵器HIMARSのそっくりさんがフランスで行われたパリエアショーに新兵器として展示されていました。ただ、これは単なる「二番煎じ」というワケではなさそうです。
フランスが開発「HIMARSソックリ」の新兵器とは
フランスの防衛関連企業 テュルジ&ガイヤール(Turgis & Gaillard)社は、2025年6月下旬にパリ郊外のル・ブルジェ空港で開催された「パリ国際航空宇宙ショー(パリエアショー)」において、新型の多連装ロケット砲システム「フードル」を展示しました。

その見た目は、アメリカが開発したトラック型の自走多連装ロケットシステム「HIMARS」にそっくりです。HIMARSは、ロシアのウクライナ侵攻でアメリカがウクライナに多数供与し、その機動性と火力の高さから注目を集めています。
こうした戦果を見て、フランスも似たような兵器を作ったのでしょうか。調べてみたら、それ以外の理由も判明しました。
フランス陸軍は従来、陸上自衛隊も購入したアメリカ製の対連装ロケットシステムMLRSをライセンス生産し、「LRU」の名で運用しています。
前出の「フードル」は、このLRUの代替として開発されたもので、名称はフランス語で稲妻という意味を持つ「Foudre」が由来です。
ルノー製の6WD軍用トラックをベースに、可動式の6連装ランチャーを組み合わせています。ランチャー内部には収縮式のクレーンが収納されており、ロケット弾を車両単独で再装填することもできます。
キャビンは装甲化されているため、防弾・耐爆機能だけでなくCBRN(化学・生物・放射性物質・核 )に対しても一定の防護機能を持っています。
なお、軽量なトラック車両をベースにしたため、道路での素早い移動や、舗装されていな悪路でも走行することができます。また、軍用輸送機のC-130「ハーキュリーズ」やA400M「アトラス」による空輸も可能であり、運用面でも機動性の高い兵器といえるでしょう。
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