中国航空機メーカーのトンデモ提案「他国の航空会社買いまぁす♪」すごくヤバい! 国内に影響の可能性も
中国の旅客機メーカーCOMACが異例の行動に出ました。経営難に陥っている外国のラオス国営航空の買収を提案しているのです。どのような影響が考えられるのでしょうか。
「中国旅客機」は“国際基準”ではない
中国の旅客機メーカーCOMAC(中国商用飛機有限公司)が異例の行動に出ました。経営難に陥っている外国のラオス国営航空の買収を提案し、海外で異例の行動と話題になっているのです。現代の航空業界では旅客機メーカーによる航空会社の直接の買収は例がなく、一国の基幹交通が外国資本の影響下になってしまうことでもあるからです。買収が成立した場合、将来はどのような影響が考えられるでしょうか。

中国のCOMACは現在、欧米の型式証明という国際的な商業運航に欠かせない承認を受けずに、リージョナル機C909(旧称ARJ21)と小型旅客機C919の海外販売へ力を入れています。これまでにベトナムのベトジェットとインドネシアのトランスヌサ航空へC909を納入し、チベット航空ともC919の購入契約を結んでいます。同じように、2025年4月にラオス国営航空にもC909を納入しました。今回の買収案は、自社製旅客機の海外販売強化の一環とみて誤りはないでしょう。
ラオス国営航空も7月に入り、COMACの買収提案を受け入れる方向で準備に入ったと報じられました。いずれのメディアでも関心として挙げているのが、航空機メーカーによる航空会社の買収、そして外資系の事業者による国営企業の買収という2点です。とくにラオス国内では、航空会社の買収なだけに公共交通機関への影響を考える必要もあります。
ちなみに、前者で先例となるのが米国のユナイテッド航空です。元々、ボーイングにより前身となる航空会社がつくりあげられましたが1930年代に反トラスト法により分割され今のユナイテッド航空となりました。だだ、これはとても古い例で、現代の航空業界の常識からは乖離があると見て良いでしょう。
たとえば、当時のユナイテッド航空が1930年に採用し、サンフランシスコ~シカゴ線に乗務させたのが世界初の客室乗務員とされていることからも分かります。
一方で後者は、今後のCOMAC製の旅客機の導入やCOMACのみならず、中国政府のラオスに対する干渉が一層強まると見られます。
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