「日本最大級の“トライアル”」が待ち構える!? 本州―九州の新ルート「下関北九州道路」いまどうなっているのか?

スーパーの西友を買収した「トライアル」が、日本最大級の店舗を開発しています。「下関北九州道路」の建設をにらんだ動きです。同道路はいま、どうなっているのでしょうか。

「下関北九州道路」下りたらすぐ“デカいトライアル”

 九州発祥の大型ディスカウントストア「トライアル」を展開するトライアルホールディングス(福岡市)が2025年7月、首都圏を中心とするスーパー「西友」の全株式を取得したと発表し、話題を呼びました。トライアルは西友との経営統合により、首都圏への出店を強化する構えです。

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既存の関門橋。壇ノ浦PAより(乗りものニュース編集部撮影)。

 一方、地元では北九州市で2026年秋のオープンを目指し、“トライアル最大のプロジェクト”と称して「トライアルメガセンター」を中心とした商業施設を開発しています。敷地面積は約2万9000坪と、かなり大型です。

 その場所は小倉駅の西側、北九州市の「西港エリア」。トライアルリアルエステートはウェブサイトで、このエリアを「本州と九州を結ぶ第3の道路として構想が練られている『下関北九州道路』の起点の地」であると紹介しており、まさに同道路の建設をにらんだプロジェクトであることがわかります。

 下関北九州道路は、関門海峡を渡る国道2号「関門トンネル」、高速道路の「関門橋」に次ぐ3本目の道路として計画されている道路です。いずれも完成から半世紀が経過し、老朽化による損失への懸念が高まっていることから、代替ルートの確保が長年望まれていました。なお、鉄道を加えれば下関北九州道路は5本目の関門海峡ルートになります。

 下関と門司を結んでいる既存ルートよりも西側、下関市内の彦島と、北九州市街地の小倉を直結する延長約8kmの道路で、海峡部は約2.2kmの吊り橋が想定されています。設計速度は80km/h、4車線の自動車専用道路として整備されます。山口県側は旧彦島有料道路(県道福浦港金比羅線)に接続します。

 そして福岡県側では、北九州都市高速2号線の日明ICと西港ICの中間に設けられる「西港町JCT」(仮称。以下、IC名なども同様)で、都市高速に直結する線形となります。

 この道路は、西港の「日明海峡釣り公園」から続く臨港道路「西港町1号線」に沿って高架構造でつくられ、途中には一般道とのアクセス拠点として西港町ICが設けられます。臨港道路はJCTのできる西港町交差点からさらに南へ、JR鹿児島本線と幹線道路(愛宕中井口1号線)を高架でまたいで到津(いとうづ)方面へ通じています。

 前出した大型のトライアルメガセンターは、愛宕中井口1号線沿いに建設中。本州から下関北九州道路で来たクルマがすぐにたどり着く場所といえそうです。

 下関北九州道路は2024年5月にルート素案や都市計画の概要がまとまり、そこから都市計画決定告示までに要する期間は、順調に進めば概ね2年とされていました。2025年現在は環境影響評価準備書の手続きも進んでおり、26年度から事業スタートとなる可能性があります。

【そこか!】下関北九州道路の詳細ルート&「日本最大級のトライアル」の場所(地図/写真)

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