ウクライナで「ドイツ製新防空システム」が火を噴き次々ドローンを撃墜 ミサイルよりはるかに経済的

ウクライナ国防省は2025年7月14日、「スカイネック」防空システムを用いて、推進式の自爆ドローンである「シャヘド136」を撃墜する映像を公開しました。

対ドローンや巡航ミサイルに効力を発揮

 ウクライナ国防省は2025年7月14日、ドイツ製防空システム「スカイネックス」を使用して、推進式自爆ドローン「シャヘド136」を撃墜する映像を公開しました。

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スカイネックス防空システムの35mリボルバーカノンを搭載した無人砲塔「Gun Mk3」(画像:ラインメタル)

「スカイネックス」は、ドイツのラインメタル社が開発した新型防空システムで、ウクライナ空軍では2023年末頃から運用が始まっています。

 このシステムは、エリコン製の戦術捕捉レーダーやマルチセンサーユニット、35mmリボルバーカノンを搭載した無人砲塔「Gun Mk3」、同じく無人化されたエリコン35mmツインガン、さらには対空ミサイルランチャーなどで構成されており、半径50km以内に侵入する航空機、ロケット弾、滑空爆弾、ドローン、巡航ミサイルなどの脅威に対応可能です。

 ウクライナ軍には、このシステムのうちGun Mk3と捕捉レーダーを組み合わせた短距離・極短距離向けのバージョンが供与されており、主にドローンの迎撃任務に活用されているとみられます。

 Gun Mk3から発射される35mm砲弾は、小型の目標に対して効果的で、ドローンの迎撃にはミサイルよりも経済的とされています。特に、空中で時限信管により起爆し、内部の金属ペレットを前方に散布するAHEAD弾を使用することで、より広範囲にわたる空中脅威への対応が可能です。

 また、追跡レーダーと連動することでターゲット指定を高速かつ簡便に行うことができ、自律システムが人の操作を介さずに自動で追尾・攻撃を実施する点も特徴の一つです。

 ロシア軍によるインフラ攻撃が激化し、対空ミサイルの不足が懸念される中、こうした機関砲を主体とした防空システムや、同じくドイツから供与されたゲパルト自走対空砲は、コストパフォーマンスと継戦能力の両面から高く評価されています。

【近接の防空を担当する】「スカイネック防空システム」(画像)

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コメント

1件のコメント

  1. Skynex Air Defence Systemのカタカナ表記はスカイネックではなくスカイネックスかと思います。