ついにドローンが“精密射撃”する時代に…! 対地対空用の先進精密誘導ロケット弾の発射成功
BAEシステムズは2025年7月16日、アメリカの実験場で無人機システム(UAS)から精密兵器を発射し、試験中に空中および地上の標的の破壊に成功したと発表しました。
飛行中のドローン撃墜に成功
イギリスの防衛企業であるBAEシステムズは、2025年7月16日、アメリカ国内の試験場において、無人航空システム(UAS)から精密兵器を発射し、空中および地上の標的の破壊に成功したと発表しました。

この実験には、同社の無人機「マロイT-150」が使用されました。これは、複数の回転翼を備えたマルチローター型と呼ばれる機体で、一般的に、「ドローン」として広く認知されているタイプです。
実験で使用された機体には、BAEシステムズが開発した誘導キットの改良型「TRV-150」が搭載されており、無誘導ロケット弾を精密誘導兵器に変換して発射することが可能となっています。同社は、「UASによる空対空でのロケット弾使用は、今回が初の事例となる」と説明しています。
この戦術は、アメリカ軍がF-16、F/A-18E/F、攻撃ヘリコプターなどを用い、紅海周辺で活動するイエメンの反政府勢力フーシ派による自爆ドローンや無人偵察機に対して採用している手法に近いものです。
アメリカ軍は、航空機に搭載したハイドラ70ロケット弾に先進精密誘導兵器システム(APKWS)を装着し、ドローン迎撃戦法を試験し、この方法は空対空ミサイルを使用するよりもはるかに低コストでドローンを排除できることが確認されています。
さらに、もともとロケット弾の精密誘導システムは対地攻撃用として開発された経緯があるため、今回の試験は、ドローンを用いたロケット弾による地上目標への攻撃も可能であることを示す結果となりました。
この件について、実験を担当したサービスエンジニアリング社の社長グレッグ・トンプソン氏は、「空中および地上目標に対する攻撃能力の提供は、戦力の大幅な強化につながり、戦場の状況を大きく変えるものとなるでしょう。私たちは、この新たな能力をアメリカおよび同盟国の兵士たちに提供できることに、大きな期待と興奮を感じています」と述べました。
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