JR西日本、三江線廃止の意向を表明 「鉄道事業はどのような形態であっても行わない」

江津駅と三次駅を結ぶJR三江線について、JR西日本は2016年9月1日、廃止する意向であることを発表しました。

過去には増便実験もしていた

 JR西日本は2016年9月1日(木)、沿線6市町でつくる「三江線改良利用促進期成同盟会」の会議で、三江線を廃止する意向であることを表明しました。

 今年8月1日、同盟会はJR西日本に対し路線存続の要請と運行継続の場合の支援策を伝えていました。また、8月19日には島根県の溝口善兵衛知事とJR西日本の来島達夫社長が県庁で会談。来島社長は三江線の存続が厳しい考えを溝口知事に伝えていました。

 今回の発表では「当社として三江線の鉄道事業はどのような形態であっても行わないという判断に至りました」としており、鉄道事業の廃止届出はJR西日本の社内手続きを経たうえで、2016年9月末日までに行うといいます。

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1両のディーゼルカーで運行されている三江線(2008年3月、恵 知仁撮影)。

 三江線は、島根県江津市の江津駅と広島県三次市の三次駅を江の川沿いに結ぶ全長108.1kmの路線です。1930(昭和5)年に石見江津(現、江津)〜川戸間が開業。三次側は1955(昭和30)年の三次〜式敷間の開業以降、路線を伸ばしていき、1975(昭和50)年に全線が開通しました。

 しかし、そのあいだに沿線では過疎化とモータリゼーションが進行。線路も川沿いを走っていることから距離が長くなっており、特急や急行といった優等列車が設定されたこともありません。

 三江線の輸送密度は、JR発足時の1987(昭和62)年度が458人/日だったのに対し、2014年度は50人/日まで減少。沿線市町村の人口も減少が続いており、この傾向は将来にわたっても続くと予想されています。

 2012年には利用促進を図るため、バスによる増便社会実験を3か月間実施。三江線活性化協議会は報告書のなかで、列車とバスあわせて約2倍の本数を運行したものの、利用者数は対前年同期の約2割増にとどまったことなどから「増便が利用促進に一定の効果は見られたものの、鉄道での増便だけでは大幅な利用増加は見込めず、三江線沿線の潜在需要は限定的と考えられる」と評価していました。

【了】

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コメント

9件のコメント

  1. 公共交通の重要性を改めて考え、採算度外視で、運行を続ける責任がJRには有ると思います。元々国民の財産だったものを、一企業が儲けどうこうを言うこと自体、あり得ない。
    国民の財産を返せ。と言いたい。

    • 採算度外視で運行を続けるのはありえないです。
      そもそも時代錯誤で建設したのも、当時としては税金のムダ遣いだったといえます。
      バスでまかなえるならそれで良いと思います。

  2. 人のいない山中に公共交通は必要ない。過疎化の現状を踏まえてバス等に切り替えるのは合理的な判断。

  3. 乗らないなら廃止しないと会社は成り立たないからね

  4. 地方で道路と鉄道が等しい条件で競争して、鉄道が敗れたわけでないですよ。

    例えば、高速道路(最高80~100㎞/h)と複線電化フル規格整備新幹線(最高260㎞/h)は1㎞/50億円の建設費
    なので、鉄道がコストや速さできわめて劣っているわけじゃない。
    実際、地方都市間用にした、智頭急行とか大黒字ですよ。
    (但し、開業前、智頭急もローカル輸送のみに徹すると厳しいという試算が行政からでている。)

    でも、インフラの仕組みが鉄道は路線ごとに運賃等でインフラ込の収支で判断
    道路などは再分配&大きく補てんし、費用対効果という全く異なった条件
    (というか鉄道に非常に不利)でしているからですね。

  5. 平日に乗ったことがあるのですが、
    主な利用者は川本にある県立高校の生徒。川本周辺の駅との相互間利用が主で短区間。
    駅から自宅までは距離のある子が多いみたいで、最寄駅からは家族の誰かが車で送迎の様子。
    川本駅で降りてみたが、地域住民や行政が熱心に町おこしをしているのはとても感じたが、
    木次線のように沿線にここしかないというような観光資源がない(ごめんなさい)
    江津市も特産の石州瓦の需要が減っていて産業が・・・、
    三次に近づくと県をまたぐこともあってか利用がとても少ない様子だった。
    とてもじゃないが鉄道を維持できる状態ではないと思いました。

  6. 鉄道がなくなると(バスで代替しようとも)地域の衰退に拍車がかかります。あると、ないのと大違い。本気で地域のことをかんがえるなら、これだけの関係者がいるのですから、どのようなかたちでもよいので、継続すべきです。

  7. 北村さんとほぼ同意見です。国鉄時代に敷設した鉄道は国民の財産。それをJRという営利企業に任せっぱなしにする事がそもそもの間違い。鉄道には「国土保全」という、採算では計れない役割がある。基本このようなローカル線は国と都道府県が責任をもって運営すべき。

  8. 「大量高速輸送機関」であるはずの鉄道が「低速で少量の、しかも低頻度な地域内輸送しかしていない」のだから、廃止されても仕方ないのでは。貨物輸送も含め、経路としての重要度が高い、となればまた違うのでしょうけど。(智頭急もこれ) 高速化されていれば輸送量も頻度も高くなってたかもですが、古い在来線の速度は郊外の一般道でも軽自動車にも負けますから。(ほくほく線は各停もmax110km/hで頑張る) 極寒の北海道に比べれば、バスにする事の障害は少ないし。

    あと、「国民の財産だった」と言ってる方々。国でその財産を維持できないからと民間(JRなり三セクなり)になった時点で、国民の財産ではない。際限のない税金投入は許されない(その為に移管された)けど、あなたの個人資産なら良いのでは。出資あるいは買収して、経営を動かしたらどうですか? 採算度外視で、というのでは倒産しても仕方ないですけど、その時には他の路線も潰れますよ。