四日市市に鉄道愛好者の賞 廃線の危機、ハンデ乗り越え

三重県四日市市が、鉄道愛好者の団体「鉄道友の会」から「ローレル賞」を受賞しました。なぜ自治体へ賞が贈られたのでしょうか。ローカル線廃止の話題が少なくない昨今、同市が行ったことが、少なからず影響しているかもしれません。

初の冷房 「ローレル賞」受賞の新260系電車、そのポイント

 さて、「ローレル賞」を受賞した新260系電車の特徴として、接客面での大幅なグレードアップがあげられます。具体的には、なんといっても同鉄道で初めての冷房車という点です。いまでは当たり前の設備ですが、同鉄道は線路幅がとても狭く、車体の横幅や長さも一般的な在来線車両の4分の3ほどで、冷房装置を積むスペースがありませんでした。しかし新型車両では様々な工夫を凝らし、床置き式の冷房装置を搭載。同時に窓ガラスもUVカットガラスへと変更され、猛暑だった今年、利用者にとって“うれしい変革”となりました。

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車内に床置きされた冷房装置。一般的な在来線車両では屋根上に搭載されることが多い(2016年8月、伊原 薫撮影)。

 冷房装置以外にも、最新の取り組みがあります。車端部には大型液晶モニタを取り付け、運賃や次駅案内を表示。これらは車内放送と連動していて、従来は決められた場所で運転士がボタンを押していたのですが、新型車両ではGPSによって列車の位置を把握し、その場所を通過すると自動で切り替わるようになりました。利用者だけでなく、運転士にも“やさしく”なっているのです。

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新260系の座席に取り付けられているハート形の手すり(2016年8月、伊原 薫撮影)。

 そのほか、座席の座ぶとん部分を厚くして座り心地を改善したり、緊急時の通報装置も備えるなど、快適に利用するための装備を充実。細かいところでは、座席の背もたれにある手すりがハート形になりました。これは単に可愛らしさを狙ったのではなく、2人が同時に握れるような形に工夫した結果なのだとか。逆に、天井が低いため頭にぶつかることもあったつり革は扉部分をのぞいて撤去され、車内はスッキリした印象となりました。

 この新260系は、昨年デビューした白+青色の第1編成に引き続き、今年9月には第2編成がデビュー予定。こちらは先述のとおり、地元の高校生がデザインしたカラーリングで、下半分が黄緑色になっています。第1編成もいずれ黄緑色になるそうで、現在の青色が見られるのはいまのうちです。

【了】

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