「金だけ持ってかれた!」詐欺まがいの中古車購入を“自衛”する方法 しかし「登録車にはできて、軽自動車はムリ」なぜ違う?
中古車販売は原則、売主が所有権を持つ車両であることが前提で売買契約が成立しますが、所有権を持たない売主が売買を持ちかけ、トラブルに発展するケースは、チェーン展開する販売店でも発生。そうした場合の自衛手段があります。
軽自動車の場合は“アウト”です
軽自動車やバイクには、「登録事項等証明書交付請求」のような制度は、そもそもありません。
なぜなら、軽四輪車と車検のあるバイクは、登録車に対して「届出車」と区分されています。国土交通省ではなく市区町村が管理するのですが、全国統一的な運用ができないため、道路運送法令に定められた団体「軽自動車検査協会」の地方組織が届出事務を担っています。同協会の担当者は、こう話します。
「協会が取り扱う届出情報は個人情報です。最終所有者(最後にナンバープレートの交付を受けた所有者)にしか提供できません」
登録車の場合も個人情報の取り扱いについては同じなのですが、前述の通り、第三者にも情報を開示できる制度があります。ところが、最近の軽四輪車や車検のあるバイクは登録車に引けを取らない価格帯ですが、国が登録をして“守るべき財産”と定めていないのです。
「登録車の制度のような法令が定められていないので、(第三者の請求に応じることは)できかねます」(前同)
中古車の購入は信用できる販売店で――という自衛手段しかないのが現状ですが、オンラインでの取引も多くなりました。損害保険会社があっせんした紹介最大手の旧ビッグモーターであれだけの事件が起きたのは、つい1年前のことです。制度の不備を修正すべき転換点があることはまちがいありません。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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