「あの大きなフェリーより巨大な船が…」 商船三井の新施設「ふねしる」で知る“海運のスケール感” 世界初「ガチの操船シミュレーター」
商船三井グループの新たなミュージアム「ふねしる」が大阪南港にオープン。巨大なフェリーが接岸するターミナルの真横に設けられた「海運に特化した博物館」です。老若男女が楽しめる施設となっています。
世界初「ガチの操船シミュレーター」
「ふねしる」の目玉は、世界初となる全周LEDスクリーンを使用した本格的な操船シミュレーターです。

これは、商船三井が訓練で使用しているシミュレーターとほぼ同じプログラムが使われており、大阪湾を舞台に小型ボートからフェリー、コンテナ船まで様々な船の操船を体験することができます。天候や時間帯も変更でき、あえて難易度を高い想定を選ぶことで、大型船の操船の難しさをリアルに感じられるようになっています。
もうひとつ興味深いのは、機関部の展示があることです。2ストロークエンジンの仕組みを稼働する模型で学べるようになっているうえ、機関制御室のコンソールも置かれており、緊急時のトラブルシューティングの体験をすることができます。ふだんあまり知られない機関士の仕事も学べます。
「海運によって今の生活がある」に重点
7月19日の開館式に出席した商船三井ウェルビーイングライフ事業本部長の向井恒道常務は「ここは私どもが運航している商船がより近くにある場所だ。大阪港はコンテナ船などさまざまな船があるが、ATCからは当社グループの『さんふらわあ』が運航する別府航路と志布志航路の船が発着している。そしてATC自体も2024年度で620万人という集客能力があり、より多くの方に船のことを知っていただけるのではないかと思っている」と話していました。
上田館長によると、「横浜や名古屋、神戸にも海洋関連の博物館があるが、これは港の歴史が中心になる。一方で海運自体に特化した博物館がない」ことが、博物館創設の出発点になっているといいます。
「たとえば、エネルギーをこのように海外から運んできているとか、船が運んできたおかげで今の生活があるということに重点を置いたミュージアムが必要だと以前から思っていた。子どもたちに海運の役割と魅力を伝えたいという、私の想いが詰まった設計となっている。海運や商船三井グループに、少しでも興味を持ってもらえれば、館長としてこれほどうれしいことはない」(上田館長)
ちなみに、「ふねしる」の目の前には、110年以上続くフェリー航路の歴史を伝える「さんふらわあミュージアム」もあり、関西汽船がかつて阪神―別府航路に投入した客船「くれない丸」などの精巧な模型を見ることができます。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
これ行ってみたい。只、大阪は万博絡みでHT代が矢鱈と高いしferry代はこの時期 BC期間 A期間になり 秋のキャンペーン(新日本の秋割トカ)が始まる 10月以降だね。