日本、グァムの脅威になる可能性 中国、次世代爆撃機の開発を明らかに
中国軍が、次世代大型爆撃機の開発を認めました。その最大の目的とみられるのは太平洋に浮かぶアメリカの島、グァムです。この次世代大型爆撃機の持つ能力が今後、日本を含む東アジア諸国の安全保障政策に大きな影響を与える可能性があります。
「目の上のたんこぶ」である島
中国空軍の馬曉天大将は2016年9月1日(木)、次世代大型爆撃機の開発が進行中であることを明らかにしました。その名称や性能など、詳細について馬大将は一切触れませんでしたが、開発自体はかねてより西安飛機H-20(轟20)という仮名がうわさされており、今回、その事実を初めて公式に認めた形となります(以降、H-20の仮名で表記)。
H-20は、恐らく核兵器投射能力は持たないか、あったとしてもそれほど重視しないでしょう。最大の目的は、ほぼ間違いなく太平洋方面におけるアメリカ軍への対抗手段、特にグァム島に存在する一大拠点、アンダーセン空軍基地の無力化であると推測されます。
今年8月、アンダーセン空軍基地にアメリカ空軍の爆撃機B-52H「ストラトフォートレス」、B-1B「ランサー」、B-2A「スピリット」の3機種全てが、初めて同時に配備されました。これらは中国や北朝鮮まで飛行可能な航続距離を持っており、両国への圧力となっています。アンダーセン空軍基地の存在は、中国側からしてみれば、まさに“目の上のたんこぶ”ともいえる邪魔な存在です。
現在のところ、中国軍が保有するアンダーセン空軍基地への攻撃手段のひとつとして、H-6K爆撃機があります。H-6Kは空対地巡航ミサイル搭載能力を有しており、東シナ海から南西諸島のあいだを通り、太平洋方面へ抜ける姿がたびたび観測されています。これは、アンダーセン空軍基地に対する攻撃を想定した訓練であると見られます。
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