異常なほどの“飲酒事故率”=電動キックボード等「特定小型原付」 ながら運転の重大事故も急増 「現役世代のモラル崩壊」統計が語る
高齢ドライバーの事故が注目される中、統計が示すのは意外な事実でした。死亡・重傷事故の大半は、危険な違法運転を続ける現役世代によるものです。なかでも特定小型原付の「飲酒」のモラルは崩壊の様相を呈しています。
2025年上半期の交通事故死者数は微減 高齢者では増加
警察庁が2025年7月、今年上半期(1月~6月)の交通死亡事故発生状況をまとめました。交通事故死者数は1161人で、前年同期比21人減少。しかし、65歳以上に限ると、前年同期比で9人増の659人となり、高齢者の事故死が増加しています。

また、免許不要の「特定小型原付」に関連する事故件数が増えていること、そのなかで「飲酒」が認められた比率が異様なまでに高いことも明らかになりました。
まずは死亡交通事故全般の推移を見てみます。日本の交通死亡事故の特徴は、全年齢で「歩行中」の事故が最多であること。2025年上半期は歩行中の事故が減少した一方、四輪車乗車中の事故が、これに迫る勢いで増加しています。
状態別の死者数は以下の通りです。
・歩行中=411人(433人)
・四輪車乗車中=405人(400人)
・バイク乗車中=205人(212人)
・自転車乗車中=139人(132人)
・特定小型原付=1人(0人)
※カッコ内は前年同期
携帯電話使用の事故が急増 現役世代が8割以上を占める
四輪車乗車中の死亡事故の増加要因として、運転中の携帯電話使用による事故の増加が挙げられます。過去5年間の推移をみると、携帯電話使用による死亡・重傷事故は明らかな増加傾向です(カッコ内は死亡/重傷事故の内数)。
・2025年=68件(11件/57件)
・2024年=60件(45件/15件)
・2023年=47件(9件/38件)
・2022年=38件(33件/5件)
・2021年=32件(25件/7件)
一方、飲酒による事故は以下の通りです。
・2025年=192人(49人/143人)
・2024年=195人(55人/140人)
・2023年=214人(62人/152人)
・2022年=180人(55人/125人)
・2021年=220人(72人/148人)
注目すべきは、これらの死亡事故を年代別に分析した結果です。携帯電話使用中の2025年死亡事故68件中60件(88%)が、60歳以下の現役世代の運転者によるものです。同じく飲酒事故192件中151件(79%)が現役世代の事故でした。
つまり、重大な違法運転が招いた死亡事故の約8割は、高齢者ではなく現役世代が起こしているのが実情です。
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