異常なほどの“飲酒事故率”=電動キックボード等「特定小型原付」 ながら運転の重大事故も急増 「現役世代のモラル崩壊」統計が語る

高齢ドライバーの事故が注目される中、統計が示すのは意外な事実でした。死亡・重傷事故の大半は、危険な違法運転を続ける現役世代によるものです。なかでも特定小型原付の「飲酒」のモラルは崩壊の様相を呈しています。

特定小型原付の「飲酒事故率」の異常な高さ

 現役世代の事故を顕著に示すのは、電動キックボードなどの特定小型原付による2025年上半期の異常な飲酒運転事故率です。

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高速道路のながら運転で工事規制帯に突っ込み、作業員が死亡するケースも相次いでいる(画像:NEXCO東日本)

 特定小型原付による2025年上半期の死亡事故は1件のみ。4月に滋賀県大津市で発生した事故で、2024年は死亡事故ゼロだったため、死亡事故だけを抜き出すと、乗りものとしての安全性は、今のところ高いと評価することができるかもしれません。

 ただ、特定小型原付が関係する人身事故のうち、約7割は20代と30代です。40代を含めると約9割の運転者を現役世代が占めます。さらに、その特定小型原付の事故の約2割で、飲酒が認められました。

「この比率は、一般原付が関係する事故の約30倍、自転車が関係する事故の約22倍」(警察庁交通企画課)

 同じ免許不要の自転車と比較しても、異常に高い割合で飲酒事故が発生していることについては、今後の分析と応じた対策が必要です。

 統計が示すのは、高齢ドライバーよりも現役世代の危険運転こそが重大事故の主因だという事実です。問題の本質は当事者の年齢ではなく、携帯電話使用や飲酒といった危険行為を運転中に行う意識の低さにあります。坂井 学国家公安委員長は、次のように話しました。

「交通死亡事故抑止のため、こうした交通事故の実態を踏まえ、指導取り締まりをはじめとする総合的な対策を強化するとともに、とりわけ運転中の携帯電話等の使用を防止するための広報啓発活動の強化、自転車の交通反則、通告制度の導入に向けた交通ルールの周知、特定小型、また、原動機付転車の安全教育の充実といった諸対策を(課題となる)世代を重点に、関係機関団体と連携をして取り組んでまいりたい」(2025年8月5日 閣議後会見)

 2025年以降の交通事故死者数の目標は「年間2000人以下」に定められています。交通事故は年末に向かって増える傾向があり、現時点で目標達成に厳しさが漂います。その中でも坂井氏は「(達成をあきらめていないことは)もちろんです。努力をいたします」と宣言しました。

 上半期の交通事故死者数は減ってはいますが、年間目標である2000人以下の抑制に向けて、現役世代の危険運転への対策強化が急務となっています。

【ヒドすぎる…】マジで異常な「特定小型原付」の飲酒事故率(画像)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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