日本+5か国14隻の「大空母艦隊」奇跡の集結!? 令和の「見せる抑止力」もともと提唱していた国とは?
海上自衛隊が英米豪など5か国海軍と大規模共同訓練を実施し、計5隻の空母が参加しました。ここで思い出されるのが、かつてイギリスで提唱された「多国籍空母打撃群」構想です。
F-35B運用可能な5隻の空母が集結
海上自衛隊は2025年8月4日から12日まで、西太平洋でイギリス、アメリカ、オーストラリア、スペイン、ノルウェーの5か国の海軍と共同訓練を行いました。海上自衛隊からF-35B戦闘機を運用するための改修を行ったヘリコプター搭載護衛艦「かが」のほか、アメリカ海軍から第7艦隊へ配備されている原子力空母「ジョージ・ワシントン」と強襲揚陸艦「アメリカ」に加えて、イギリス海軍がインド太平洋地域へ展開している空母「プリンス・オブ・ウェールズ」も参加しました。

「かが」と「アメリカ」は空母に分類されていませんが、F-35B戦闘機を搭載して軽空母としても運用が可能です。この共同訓練には、事実上、3か国から計5隻の空母が参加したことになります。
イギリス海軍は本訓練について、航空作戦能力にフォーカスした訓練であり、海上自衛隊と連携してF-35Bの複合作戦を演練すると述べています。
「かが」での運用が予定されている航空自衛隊のF-35Bは8月7日にアメリカから到着したばかりなので、本訓練には参加していませんが、「プリンス・オブ・ウェールズ」に搭載されているF-35Bが「かが」での発着艦訓練を行っています。
またこの訓練には海上自衛隊とアメリカ海軍の水上戦闘艦だけでなく、「プリンス・オブ・ウェールズ」に随伴してきたイギリス、スペイン、ノルウェー各海軍の水上戦闘艦とオーストラリア海軍の水上戦闘艦に加えて、イギリス海軍の給油艦と海上自衛隊の潜水艦も参加しており、参加国は日本を加えて6か国、参加艦艇数は合計14隻に達していました。
筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はこの訓練の報道を見て、イギリスの民間戦略研究機関であるIISS(International Institute for Strategic Studies/国際戦略研究所)の公式サイトに掲載されていた、ある提言を思い出しました。
それはIISSで上席フェローを務めるニック・チャイルズ氏が2021年4月26日に発表した、インド太平洋に同盟国・同志国による多国籍空母打撃群を創設すべきである、というものです。
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