【空から撮った鉄道】大樹が生えた「名物高架駅」上から見ると…? 古都へと延びる京阪本線を追う

京阪電気鉄道(京阪電鉄)は大阪と京都を結び、淀川左岸の門真市や寝屋川市などを通り、伏見から鴨川沿いの三条、出町柳へと至ります。何年かにわたって空撮してきたカットを織り交ぜながら、京阪本線を中心に上空散歩しました。

この記事の目次

・「大阪城×京阪電車」をわずかな時間で撮影

・大樹が突き抜ける「名物高架駅」と、扇状に広がる車庫

・好対照な遊園地と電車

・舟運と鉄道の要衝の先にはっきり残る廃線の築堤

・空から見る「京阪・近鉄相互乗り入れ」の痕跡

【画像枚数】全26点

「大阪城×京阪電車」をわずかな時間で撮影

 大阪と京都を結ぶ京阪電鉄は、淀屋橋~三条間の京阪本線を主軸に、合計7路線(鋼索線を含めると8路線)を有します。そのうち京津線と石山坂本線は、京阪本線系統とは独立して京都府と滋賀県に路線を延ばしており、『「空から撮った鉄道」でも紹介しました。今回は京阪本線を中心にして、空から巡っていきましょう。

 京阪本線は過去何回かに分けて撮り続けてきており、京都方面は2025年春の京都市内空撮の帰路、京阪本線に沿って飛行し、要所を捉えていきました。以前撮影した写真も織り交ぜて紹介します。

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寝屋川車庫で、現役の留置車両群に混ざって、教材車となった旧塗装の2600系2615号+2820号の姿が確認できる。この2両は2022年頃に解体されて現存しない(2018年9月9日、吉永陽一撮影)

 京阪本線は淀屋橋駅が起点ですが、地下駅のため上空からでは判別できません。天満橋~中之島間の中之島線も同じく地下線です。天満橋駅の東側で大阪城の外堀と近接し、寝屋川を渡る地点から線路が地上に現れます。

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中之島全景を西方向から捉える。その名のとおり堂島川(左)と土佐堀川(右)に挟まれた島となっており、中之島線は堂島川の川縁の地下に線路がある(2021年5月3日、吉永陽一撮影)

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Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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