【空から撮った鉄道】「3つに分かれるターミナル」から出発 もともと京阪だった阪急の秘密を空から探る 「併走ライバル」からの新幹線との出会い

阪急電鉄は京都、宝塚、神戸の各本線を軸に支線を延ばし、電車は伝統的にマルーン色です。京都本線にスポットをあて、大阪から京都まで線路沿いに上空散歩しました。

この記事の目次

・十三から京都へ上空散歩

・伊丹管制圏内で旅客機と阪急電車のツーショット

・多くの形式が休息する正雀車庫と、存在感を放つ「並走ライバル」

・白い新幹線とマルーンの阪急電車が出会った!

・桂川を渡り、いよいよ京都トンネルへ

・美しい「春の光景」に包まれた嵐山線

【画像枚数】全24点

十三から京都へ上空散歩

 阪急電鉄(阪急)の電車は、創業の頃から伝統的に受け継がれてきた赤みがかった茶色を纏い、その色名はずばり「阪急マルーン」です。大阪から神戸、宝塚、京都に本線を延ばし、それぞれの本線には支線があります。

 神宝線と呼ばれる神戸本線と宝塚本線は、私鉄経営のモデルと評される小林一三が実質的創業者となった箕面有馬電気軌道が始まりで、1918(大正7)年に阪神急行電鉄へ改称。略称「阪急」の名が世に誕生しました。なお、正式に阪急電鉄へと改称したのは1973(昭和48)年です。

Large 20250704 01

拡大画像

十三駅を東方向から見る。京都、宝塚、神戸方面へ離合する分岐駅で、京都本線は一番手前側。次いで宝塚本線、左が神戸本線である(2025年4月3日、吉永陽一撮影)

 そして京都本線は、北大阪電気鉄道(後の千里線)と新京阪鉄道(同、京都本線)が始まりでした。今回は京都本線を上空散歩します。阪急は京都・大阪・神戸の“三都”に路線網があるから、一日で空撮しようとすると、かなり時間がかかるために、目が飛び出るような経費がかかってしまいます。

残り3981文字

この続きは有料会員登録をすると読むことができます。

2週間無料で登録する

Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

最新記事