唯一の動態保存される「ティーガーI」戦車で80年前の“戦闘の記憶”が見つかる「非常に驚くべきこと」
ボービントン戦車博物館は2025年9月10日、動態保存している世界で唯一の「ティーガーI」の整備中に80年以上前の第二次世界大戦中のものと思われる砲弾の破片が見つかったと公式Xに投稿しました。
戦場特有の金属片が見つかる
イギリスのボービントン戦車博物館は2025年9月10日、動態保存されている世界唯一のティーガーI「タイガー131」の整備中に、第二次世界大戦中のものとみられる榴弾の破片が発見されたと、公式Xで発表しました。

タイガー131は、9月20日に予定されているティーガーIIとの走行イベント「タイガーデー」に向けて整備が行われていた最中で、点検作業中の技師たちが車輪のひとつから榴弾の破片を発見したということです。
キュレーターサービス責任者のニック・ブース氏は、この発見について「タイガー131は、近年大規模な修復とオーバーホールが行われてきました。それにもかかわらず、捕獲された際の戦闘の痕跡が残っていたことは非常に驚くべきことであり、同時に戦争の現実を思い起こさせる、身の引き締まる発見です」と述べました。
ボービントン戦車博物館が所蔵するタイガー131号車は、もともとは1943年4月、北アフリカ戦線・チュニジアの戦いにおいて、メジェズ・アル・バブに展開したイギリス軍への反撃に投入された車両のひとつでした。
この戦闘で、歩兵部隊を支援するために到着したイギリス戦車部隊の集中砲火を受けたタイガー131は、撃破こそされなかったものの行動不能に陥り、ほぼ無傷の状態で鹵獲されました。
今回発見された榴弾の破片が、イギリス軍かドイツ軍のどちらのものかは不明とのことですが、ブース氏は「これは、当時の戦場で飛び交っていた典型的な重い金属片です。もしこれが誰かに命中していたらと思うと、想像するだけでぞっとします」と話しました。
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