「名前通りマジで“平成”極めちゃった」な遊覧船、廃止なぜ? 「需要ない」とは全く異なる“切実な事情”
下北半島の遊覧船「夢の平成号」の運航終了が迫っています。どのような船で、なぜ廃止となるのでしょうか。今回は実際に乗ってみました。
内部はサロンバス風のソファー席も 船も形式も大満足なクルーズ
「夢の平成号」はその名前のとおり平成に作られており、遊覧船として就航したのは今から36年前の1989年のことです。船やその内装にはややくたびれた印象がありますが、逆にそれが味となり、照明やシートのカバーのデザインに目が引かれます。座席も一般的な一人用シートの他に、後方にはサロンバス風のテーブル付きのソファー席がありました。
ただ、設計が古いゆえに冷房施設がなく、航行中の船内は意外と気温が高くて蒸す感じでした。熱中症対策のためか、各座席には団扇が置かれ、乗船前には各人にオリジナルラベルのペットボトル水も配られます。
クルーズの座席で筆者がオススメするのは、船の後方にある開放デッキで、ここには若干ですがシートもあります。船内のように蒸すことはありませんが、逆に吹き曝し状態のために常に風が当たり、場所によっては水飛沫が軽く掛かることもありました。
乗り心地については「結構揺れる」という感じで、これは「夢の平成号」が遊覧船として比較的小さいのと、平舘海峡の海が天候によっては荒れるからのようです。船の揺れを「楽しい」か「不快」と受け取るのは人それぞれですが、久しぶりに観光船に乗った筆者は、退屈せずにそれを楽しむことができました。
「夢の平成号」はクラシックな観光船と、下北半島の大自然を同時に楽しむことができ、遊覧船として非常に楽しめるものだといえるでしょう。しかし、そんな魅力的な船がなぜ廃止になるのでしょうか。
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