JAMSTECが突如「しんかい6500」の新母船を公開! 現用船は“深刻な老朽化と能力不足”が問題に

JAMSTECがこのたび都内で開かれた講演会で、「しんかい6500」と超深海AUV「うらしま8000」などを同時運用できる新たな「超深海探査母船」の概要について詳細を明らかにしました。

1隻で複数まかなえると調査日数も大幅に短縮

 難波室長いわく、新しい探査母船が完成し、フルデプス無人探査システムの運用を開始して、「うらしま8000」と「しんかい6500」、ピストンコアラーなど一般的な海洋観測機器が同時搭載できる体制になると、同じ調査を1隻の船で実施できるようになり、単純計算では1航海24日間で済ませられるようになるそうです。

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JAMSTECが保有する潜水調査船支援母船「よこすか」。竣工は1990年4月で、すでに船齢は35年経っている(深水千翔撮影)。

 さらにオペレーションの省人化やAUVとフルデプス無人探査システムの制御を陸上からASVを通じて支援することにより、探査機の同時運用、それこそ「うらしま8000」が海底で調査をしながら、「しんかい6500」が少し離れた海域を潜航調査するというようなことも可能になるため、同じ調査内容が 1航海15日間で実施可能となるなど調査日数のさらなる短縮も見込めると説明します。

 JAMSTECが超深海探査母船を計画した背景には支援母船「よこすか」の深刻な老朽化があげられます。1990年4月に竣工した「よこすか」は配管の腐食やA フレームクレーンのテールの劣化が進み、さらには燃料タンクの上部には穴が開いていることが発見されました。

 加えて、着水揚収システム制御盤など部品の製造が終了している計器はメンテナンスが難しくなっており、研究航海にも影響が出ています。

 そもそも同船は現代の調査船にとって当たり前のDPS(自動船位保持装置)が搭載されておらず、「しんかい6500」を着揚収する際などは、熟練の船長の操船が頼りなど、前出の深海調査体の同時運用の限界など含め。今の目で見ても母船としての能力不足も露呈している中で、老朽化の問題は看過できないレベルとなっていました。

 難波室長は「『しんかい6500』の運用能力を切れ目なく継続したい。現状の『よこすか』は2030年頃までの運用を検討しており、その頃までには新しい超深海探査母船が欲しいと我々としては希望している」と話していました。

【画像】これが「しんかい6500」の新たな母船イメージです

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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