JAMSTECが突如「しんかい6500」の新母船を公開! 現用船は“深刻な老朽化と能力不足”が問題に

JAMSTECがこのたび都内で開かれた講演会で、「しんかい6500」と超深海AUV「うらしま8000」などを同時運用できる新たな「超深海探査母船」の概要について詳細を明らかにしました。

世界をリードする深海探査システムの構築を目指して

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2025年9月24日に都内で開かれた講演会で、HOV(有人潜水調査船)「しんかい6500」と超深海AUV(自律型無人探査機)「うらしま8000」、そしてフルデブス無人探査機を同時に運用する新たな「『超深海』探査母船」の概要について詳細を明らかにしました。同船は現在運用している支援母船「よこすか」の後継で、2030年頃までの就役を目指します。

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JAMSTECが保有する有人潜水調査船(HOV)「しんかい6500」(深水千翔撮影)。

 登壇したJAMSTEC新船建造プロジェクト準備室の難波康広室長は「我が国の戦略的自立性・不可欠性を確保するため、世界をリードする深海探査システムの構築を目指している」と話します。

 検討中の超深海探査母船は、特長が異なるさまざまな探査機を同時に搭載し、運用することをコンセプトとしています。調査対象や目的に応じて、海中へ投入する探査機を適切に組み合わせるとのこと。こうすることで、サンプルリターンの効率化を図るのが狙いです。

「既存の『よこすか』では、『うらしま8000』と『しんかい6500』を同時に搭載することができず、それぞれ個別に運用するしかない。またピストンコアラーによる採泥は不可能で、それについては海底広域研究船『かいめい』や東北海洋生態系調査研究船『新青丸』で行っている」

 難波室長は東北沖における地震発生履歴と海底地滑り地形の調査計画を例に、「よこすか」ではAUVとHOVを1台ずつしか積めないため、「うらしま8000」と「しんかい6500」で2航海、さらに「かいめい」による採泥も含めると3航海する必要があると説明します。

「必要観測時間と人員配置に基づく運用体制から述べ航海日数を計算すると、合計で 51 日間という航海が必要になる。ただ、航海が分かれてしまうと、例えば第1航海と第2航海の間で約1年空いてしまう可能性もある」

 これに対して、新たに運用が計画されている超深海探査母船であれば、必要な機器が全て搭載できるようになります。さらに同船では「うらしま8000」だけではカバーしきれない広域の探査を行う複数の汎用航行型AUV、それらを制御する水上ドローンを搭載することも検討中だそう。海底設置型の観測機「ランダー」と小型の作業型AUV「ビークル」を組み合わせ、深度1万1000mでの試料採取を行えるフルデプス無人探査システムも搭載します。

【画像】これが「しんかい6500」の新たな母船イメージです

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