「どこでもドア」初の実証実験 ホームドア導入阻害要因を解決へ 京急

許容範囲が広い三浦海岸駅の「どこでもドア」

 このたび設置された「どこでもドア」は、異なるドア数、配置に対応できることと合わせて、「地上完結型連携システム」であることも大きな特徴です。

 現在の一般的なホームドアは、列車の停止位置がずれることに対する許容範囲が小さいことから、定められた位置に停止させる「TASC(定位置停止装置)」といった運転支援装置や、ホームドアと連動させる装置が車両に必要なことがあります。

 しかし三浦海岸駅へ設置された「どこでもドア」は、開口部が通常の2m程度に対しおよそ3.2mから3.6mと広いため、ズレに対する許容範囲が広く、合わせて自動で列車のドア数、配置を検知し、作動します。よって、先述した装置を車両に搭載する必要がありません。このたび三浦海岸駅に設置されたものは、停止位置のズレがプラスマイナス850mmまで許容範囲といいます。

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一般的なホームドアは、停止位置のずれに対する許容範囲が小さい(画像出典:国土交通省)。

 なお現在、京急では羽田空港国際線ターミナル駅のみにホームドアを導入していますが、列車とホームのドアは連動しておらず、車掌がそれぞれを操作する必要があるとのこと。対し「どこでもドア」は、列車のドアを開けるワンアクションでホームのドアも開けられる、しかも車両を改修することなく、というのが大きなポイントです。

 三菱重工交通機器エンジニアリング 新事業開発室の山田昌則さんによると、まだ実証実験中ながら、このようなホームドアの「地上完結型連携システム」は初といいます。

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コメント

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5件のコメント

  1. テレビ局各局が「2ドアにも3ドアにも対応!」と騒いでいるが、
    ・2ドア車と3ドア車への対応は、記事中にもあるように羽田空港国際線ターミナル駅ですでに実現済み。
    ・3ドア車と4ドア車への対応も、2013年に神戸製鋼による戸袋移動型「どこでも柵」が新所沢駅ですでに実証実験済み(現在は撤去)。
    ・戸袋を重ねた大開口のホームドアも、豊洲駅や九段下駅で現在実験が行われています。
    4ドア車が来る路線ならともかく、2ドアと3ドアだけの路線で「どこでもドア」を名乗るのは誤解を招くのではないでしょうか。

    今回は主に「地上完結型連携システム」についての実証実験が行われているようです。マスコミ各社も名前の斬新さだけに飛びかかるのではなく、何が新しいのかをきちんと報じてほしいものです。

    • なお、2013年に実証実験が行われた「どこでも柵」は神戸製鋼の登録商標、今回の「どこでもドア」は三菱重工交通機器エンジニアリングの登録商標だそうです。そんな紛らわしい商標にしなくてもいいのに。

  2. シャッターみたいに電車来たら全部開けちゃえばいいじゃん。上から降りてくると撮ヲタが発狂するので、下からにゅっと出てくるタイプで。

  3.  車両のドアと同時に開閉するようしにないと停車時間が長くなり過ぎて全体の所要時間の伸びが著しくなってしまう。もっと言えば、開扉時は同時に開き、閉扉時はごく僅かの遅れでホーム側のドアが閉じるようにして、現状ではホームドアの開閉速度が遅過ぎるので、開扉時は車両のドアよりも速く、閉扉時は車両のドア並みの速さになるように改良すべきだと思う。

  4. 磐石な収入源がある「首都圏の民鉄」だからこそ導入出来るのであって、私が居住している関西では収入基盤が貧弱であるから、ホームドアの導入は遠い将来の話でしょう、