「どこでもドア」初の実証実験 ホームドア導入阻害要因を解決へ 京急

京急のような路線で効果的な「どこでもドア」 類似した鉄道へ拡大の可能性も

 この「地上完結型連携システム」は京急のような、他社との直通運転を実施している鉄道会社にとって大きなメリットで、京急がホームドアへ特に求めているもののひとつといいます。

 たとえば羽田空港へ向かう京急の空港線には、同社のほか都営地下鉄、京成電鉄などの車両も乗り入れ、走っている車両の種類は約15種類にもなるとのこと。それら、他社のさまざまな車両を含めてすべてにホームドア対応の改修を施すとなれば、大きなコストと時間、手間が必要です。しかし「地上完結型連携システム」ならば、それが不要。三菱重工交通機器エンジニアリングの山田昌則さんによると、トータルで見るとコストが抑えられるといいます。

 京急電鉄 鉄道統括部事業統括課の須藤一樹さんは、今回の実験で「どこでもドア」の実用化にメドがつけば、さまざまなドアの車両が走り設置が難しい京急でも、ホームドアの設置を進められるかもしれないと話します。

 また、複数社の車両が走っている路線は京急以外にも珍しくないなか、三菱重工交通機器エンジニアリングの山田昌則さんによると、京急と似た環境にある鉄道会社からもこの「どこでもドア」について引き合いがあるとのこと。「どこでもドア」の実用化でホームドアの設置に関する敷居が下がり、鉄道の安全が広がっていくかもしれません。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. テレビ局各局が「2ドアにも3ドアにも対応!」と騒いでいるが、
    ・2ドア車と3ドア車への対応は、記事中にもあるように羽田空港国際線ターミナル駅ですでに実現済み。
    ・3ドア車と4ドア車への対応も、2013年に神戸製鋼による戸袋移動型「どこでも柵」が新所沢駅ですでに実証実験済み(現在は撤去)。
    ・戸袋を重ねた大開口のホームドアも、豊洲駅や九段下駅で現在実験が行われています。
    4ドア車が来る路線ならともかく、2ドアと3ドアだけの路線で「どこでもドア」を名乗るのは誤解を招くのではないでしょうか。

    今回は主に「地上完結型連携システム」についての実証実験が行われているようです。マスコミ各社も名前の斬新さだけに飛びかかるのではなく、何が新しいのかをきちんと報じてほしいものです。

    • なお、2013年に実証実験が行われた「どこでも柵」は神戸製鋼の登録商標、今回の「どこでもドア」は三菱重工交通機器エンジニアリングの登録商標だそうです。そんな紛らわしい商標にしなくてもいいのに。

  2. シャッターみたいに電車来たら全部開けちゃえばいいじゃん。上から降りてくると撮ヲタが発狂するので、下からにゅっと出てくるタイプで。

  3.  車両のドアと同時に開閉するようしにないと停車時間が長くなり過ぎて全体の所要時間の伸びが著しくなってしまう。もっと言えば、開扉時は同時に開き、閉扉時はごく僅かの遅れでホーム側のドアが閉じるようにして、現状ではホームドアの開閉速度が遅過ぎるので、開扉時は車両のドアよりも速く、閉扉時は車両のドア並みの速さになるように改良すべきだと思う。

  4. 磐石な収入源がある「首都圏の民鉄」だからこそ導入出来るのであって、私が居住している関西では収入基盤が貧弱であるから、ホームドアの導入は遠い将来の話でしょう、