「140往復の高速バス路線」も更に拡充へ!? カギを握る「アウトレット行き」新系統 各地で増便も相次ぐ理由
全国で「アウトレットモール行き」高速バスの拡充が相次いでいます。アウトレットそのものへの交通機関のメインとなるだけでなく、結果的に周辺の通勤・通学需要をターゲットにしたような路線も充実するという構図があるのです。
アウトレットのアクセス強化3点セット戦略
アウトレットは、出店する各ブランドが都心の正規価格店と住み分けて低価格で販売できるよう、郊外や近郊に立地します。かといって交通が不便では集客できません。インターチェンジ至近の立地、巨大な駐車場と、非クルマ客向けの直通高速バスが3点セットと言えます。

特に、買い物好きで、自分では運転をしない主に女性のグループと、円安によりお得感を感じるFITには、高速バスの存在が重要です。
東京駅前の地下にあるバスターミナル東京八重洲からは、三井アウトレットパーク木更津へ平日7便、週末12便が、また同じく千葉県の酒々井プレミアム・アウトレットへは毎日9便の高速バスが発車します。特に開店直後に到着する9時25分発の便は両者同時発車で、いずれも日本人、外国人(FIT)らの列ができます。
興味深いのは、そのうちFITの様子が、両路線で対照的な点です。木更津へは、東京滞在中に日帰りする人が多く、みな軽装です。一方の酒々井へは、スーツケースをバスの床下トランクに積み込む人が多く、スーツケース「ふたつ持ち」も目立ちます。
酒々井は成田空港に近く空港へのバスもあるため、帰国前に立ち寄る人が多いようです。スーツケース2個というのは、片方は着替えなどが入った自分用であり、もう片方は、おそらく都内で安く調達したもので中身はカラ。アウトレットでめいっぱい買い物し、「戦果」を詰め込んで帰国するのでしょう。
そう考えると、前出した神戸三田アウトレットの立地は前者です(後者に相当するのは、関西空港至近のりんくうプレミアム・アウトレット)。三田~京都線は、京都市周辺の住民に加え、京都で連泊中のFITも大きなターゲットなのです。
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