「中国製とみられる」フィリピン沖で漁師が発見した「怪しい水中ドローン」警備隊が押収 その正体とは?
フィリピン沿岸警備隊は2025年9月30日、自国の領海内で運用されていた中国製とみられる自律型無人水中航行体を押収したと発表しました。
暗号通信が行われていたケースもある
フィリピン沿岸警備隊は2025年9月30日、自国の領海内で運用されていた中国製とみられる自律型無人水中航行体、いわゆる「水中ドローン」を押収したと発表しました。

この水中ドローンは、南シナ海のパラワン州リナパカン島近海で漁師によって発見されたもので、全長は約3.6メートル。機体には中国のマークが確認され、部品には中国語と見られる表示もあったとされています。
沿岸警備隊による予備調査では、ドローンには海洋調査用のセンサー(電気伝導度・温度・水深の測定機器)が搭載されていたことが明らかになっています。報道官のジェイ・タリエラ准将は、「回収されたドローンは自律的なデータ処理・保存・衛星通信の能力を備えており、別のケースでは中国本土との暗号化通信が行われていたことが確認されています」と述べました。
フィリピン当局は、今回の事案を含め、2022年7月から2024年12月までの間に少なくとも5件の水中ドローンが国内各地で発見されているとしています。
これらのうち3件については、中国電信(China Telecom)のSIMカード、中国電子科技集団(CETC)製のバッテリーパック、そして中国の防衛関連企業である華創科技(Hwa Create)製のイリジウム通信機器などが発見されており、中国軍が使用したものと断定できる可能性が高いとしています。
現在、これらの装置については詳細な鑑識分析が進められており、正確な出所、作戦履歴、そして潜在的な安全保障上のリスクが調査対象となっています。なお、フィリピン沿岸警備隊は、市民に対して海上で不審な装置を発見した場合は、最寄りの沿岸警備隊基地に直ちに通報するよう呼びかけています。
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