“レンタカー取れない”が一転「大暴落!」 どうして投げ売り状態に? “レンタカーバブル”がはじけた沖縄

沖縄のレンタカー業界で料金の大暴落が起きています。一時は「レンタカーがとれない」「高すぎる」との悲鳴も相次いでいたのに、一転して“投げ売り”状態になっているのは、なぜなのでしょうか。

車両台数が需要を大幅に上回る状況へ

 もちろん「料金の競争で、利用者は安くレンタカーが借りることができる」という意見もあると思います。ただレンタカーの過当競争は、いい面ばかりではありません。

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レンタカー事業者の乱立で、那覇空港では同じバス乗り場を数多くの事業者の送迎バスが発着する状況に(植村祐介撮影)

 たとえば那覇空港のレンタカー送迎バス発着所はこれだけのレンタカー事業者が利用することを想定しておらず、混雑時には多くの事業者が場所を奪い合う形となり、利用者は自分が乗るバスがいつ来るのか、どこにあるのかとまどう状況です。

 また新規参入したレンタカー事業者の多くは「沖縄県レンタカー協会」に非加盟で、那覇空港が許可していない空港構内道路や駐車場でのレンタカー受け渡しを手がける事業者が後を絶たず、空港構内道路や駐車場の混雑に拍車をかけています。

 そしてこうした過剰な競争の先には、コストダウンのためのサービス低下という未来が見えています。空港送迎のバスを減らしたしわ寄せで長い待ち時間が発生する、クルマの整備不良が原因で旅行のスケジュールが狂ってしまうということになれば、楽しい思い出を連れて帰るはずの旅行も台無しです。

 自由主義経済においてはレンタカー事業者を直接規制することは難しいと思いますが、違法な受け渡しの問題や、車両の整備状況については、当局のきちんとした監視や指導を期待したいところです。

 ちなみに前記3市のなかでもっともレンタカー事業者が集中し、車両数も増加数も第1位の豊見城市は「レンタカー税」の導入の検討をはじめることをあきらかにしています。

 人口およそ6万6000人の同市に、乗用車だけで1万4000台弱のレンタカーがあるのはやはり異常であり、交通渋滞、交通事故対策の財源としてレンタカー税を考えるのは、ある意味当然とも言えるのではないでしょうか。

【え…!】ここまで激安になった「沖縄のレンタカー」(写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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