“レンタカー取れない”が一転「大暴落!」 どうして投げ売り状態に? “レンタカーバブル”がはじけた沖縄

沖縄のレンタカー業界で料金の大暴落が起きています。一時は「レンタカーがとれない」「高すぎる」との悲鳴も相次いでいたのに、一転して“投げ売り”状態になっているのは、なぜなのでしょうか。

コロナ禍が生んだ“レンタカーバブル”

 その最大の要因として考えられるのは、那覇空港周辺のレンタカー事業者各社が保有するレンタカーの台数が、旅行者の需要をかなり上回ってしまっているのではないかということです。

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レンタカー事業者の乱立で、那覇空港では同じバス乗り場を数多くの事業者の送迎バスが発着する状況に(植村祐介撮影)

 そもそも沖縄のレンタカー事業者各社は、コロナ禍で外出自粛要請が行われていた時期、需要減に対応するために大幅な減車を行いました。

 那覇空港利用者を主な対象とするレンタカー事業者の所在地は那覇市、糸満市、豊見城市と考えられますが、コロナ禍のはじまる2020年3月末、この3市のレンタカー事業者が保有する車両数(乗用車のみ)は2万1503台でした。しかし、旅行需要の大幅な減少により、レンタカー事業者は横並びで保有車両数の見直しを実施、2021年3月末には保有台数が1万5294台まで減少します(沖縄総合局調べ、以下同)。

 その後コロナ禍が明け、旅行需要が急回復したことから、レンタカー事業者各社は一転して増車に舵を切ります。しかし、折からの半導体不足に端を発するクルマ生産の遅れもあり、計画どおりに進みませんでした。

 そのため、数少ないレンタカーを旅行者が”奪い合う”形になったのです。

 当時はこの状況に乗じ、「1日3万円」など、従来の相場を大きく上回る料金を提示するレンタカー事業者も相次いでいました。これが「レンタカーは儲かる」という風潮を呼び、多くの地元資本の企業がレンタカー事業に新規参入することになりました。

 それは数字の上でも明らかです。前記3市のレンタカー事業者数は、2021年3月末に324社でしたが、2024年3月末には749社にもなっているのです。

 しかし2023年なかばから半導体不足が解消し順調な増車が可能となったことから、沖縄のレンタカー事業者が保有する車両数は一気に増加します。

 前記3市の車両数は2024年3月末には2万4992台、2025年3月末には2万8438台と右肩上がりに増えます。2025年と2021年とを比べると、保有台数はほぼ倍で、これはコロナ禍前をも上回る水準です。

 円安効果で那覇空港に降り立つインバウンド観光客は増加しているとは言え、ここまでレンタカーの台数が増えてしまったら、料金の値崩れも”必然”と言えるでしょう。

【え…!】ここまで激安になった「沖縄のレンタカー」(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 那覇空港でレンタカー業者はやりたい放題

    客を迎えるレンタカーが3階出発口前のバス・タクシーの”降車”場所に駐車して客待ち→バスやタクシーが停車できずに渋滞→3階に登る道まで渋滞して一般車も迷惑した

    バスやタクシーが通報しまくって那覇空港も注意の放送を流すようになって減ったけど、中国人がやってる零細レンタカー屋は今でも停めるし、警備員が注意しても無視してる

    あとレンタカー多過ぎ

    那覇空港からレンタカー屋の多い豊見城市南部に向かう国道、那覇市内、観光地はいつもレンタカーで渋滞してるし、ニライカナイ橋や見通しの悪いカーブの出口に停車して写真撮ってたりレストラン前に違法駐車して道を塞いだり、ただでさえ車社会で渋滞地獄の沖縄の交通環境を悪化させてる

    供給過多と過当競争でサービス低下したりオーバーツーリズムを悪化させるなら、レンタカーもタクシーみたいに営業エリアごとの台数の上限を国が決めて規制してほしい