片翼喪失でも生還可能 人工知能で「落ちない飛行機」実現なるか

飛行機が片翼を失うような重大事故に遭遇した場合、無事に着陸し生還するのは相当の幸運でしょう。しかし、これを運任せにしないための技術が開発中です。そのカギは人工知能にありました。

ライバルはNASA? その先を行く日本の実験

 こうした人工知能による操縦アシストの研究は、海外においても行われています。特にNASA(アメリカ航空宇宙局)は、戦闘機など破損する頻度が高い軍用機をベースにした研究で一歩先んじており、F-15の実機を用いた試験も実施しています。

 とはいえもちろん、F-15を実際に空中で破壊しては危険です。よって、通常の戦闘機型F-15を改造した試験飛行用のNF-15Bで、故障をシミュレーションしました。

Large 20161029 01
NASAの「知的飛行制御研究(IFCS)」に用いられた、試験型NF-15B。通常のF-15に「先尾翼(カナード)」「推力偏向エンジンノズル」というふたつの舵が追加されている(写真出典:NASA)。

 一方、日本で実施した「耐故障飛行制御システム」の研究では、この分野における安全性向上の研究としてはほかに例がない、実証試験用無人機を空中で破損させるという、世界最先端レベルの試験に成功しました。なお、こちらはNASAと異なり、戦闘機よりも操縦能力が劣る小型民間機をベースにしています。実用化は2020年頃を見込みます。

 今後も右肩上がりに増大すると予測される航空需要に対し、墜落事故の発生確率は下げ止まりの状態にあります。このまま航空輸送量が増大すれば、墜落事故は確実に増加することが懸念されています。

 そうしたなか「耐故障飛行制御システム」は、「落ちない航空機」を実現するために、重要な操縦支援システムになりうる可能性を秘めています。

【了】

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 自動運転で『魂の駆動体』が、アビオニクスの発展で『戦闘妖精・雪風』が、それぞれ実現化するのか。

  2. 今から発表してはいけない気がする。

    ある程度、実用化の目処が経ってから

    発表すべきですね。

    また、ブラックボックス化も必要です。

    でないと、他国に狙われる事になるでしょう。

    また、某友好国より邪魔されるでしょうね。

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号