「工事規制に突っ込んでくるやつ」ですべて台無しに… 首都高作業員の悩みを解決した“新型カラーコーン”とは!? 一般公開イベントで披露

首都高速道路が開催した「首都高点検・補修デモ 2025」において、現場の作業員を悩ませてきた“あるトラブル”を激減させた三角コーンが大きな注目を集めました。

道路で頻発する「三角コーン」のトラブル 解決のカギは?

 首都高速道路は2025年10月10日、道路メンテナンスに用いられている技術や設備・用品などを紹介する「首都高点検・補修デモ 2025」を開催。土木などを志す大学生や、一般公募の参加者、業界関係者ら約60人が最新の技術に触れました。

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「首都高点検・補修デモ 2025」の様子。写真はトヨタ「ミライ」ベースの事業用車(乗りものニュース編集部撮影)

 このイベントで特に学生の注目を集めていたのが、現場での作業に欠かせない「三角コーン」に関する新製品の展示です。

 この展示は、主に首都高の神奈川エリアでの維持管理や補修作業を手掛ける「首都高メンテナンス神奈川」が出展しました。同社はメンテナンスの現場でしばしば発生する、一般車両とコーンなどが接触するトラブルの防止に取り組んでいます。

 コーンをはじめとする工事用の設備と一般車が接触する事故は、長年にわたって現場作業員の頭を悩ませてきました。特に車線規制を伴う作業では、車線が狭まる「テーパー」と呼ばれる部分に置かれたコーンが跳ね飛ばされるケースや、車体に巻き込まれて運ばれてしまうトラブルが後を絶ちません。

 また、夜間にはコーンを内側から照らして視認性を確保するのが一般的ですが、これにも課題がありました。コーンの内部に白熱電球を入れ、いわゆるムカデコードで発電機に接続する従来手法では、車両が接触した際に電球が破損するだけでなく、コードまで損傷して、ほかの照明が使えなくなるトラブルが少なくありませんでした。

 こうした事故を防ぐため、同社では近年、現場作業で用いる三角コーンに「ステイコーン」という特殊なコーンを、またコーンを内側から照らす照明には「インターライト」という新タイプの製品を採用しています。

 まずステイコーンは、コーン自体が“わざと”変形することで、衝撃を受け流す設計となっています。ステイコーンに車両などが接触した際は、コーン部分が根元から曲がることで外力を吸収。巻き込まれによるコーンの破損や紛失を、大幅に減少させました。さらに防風性能の改善にも寄与しており、風速19m/秒の強風にも耐えることができるとされています。

 また、インターライトはコードレスの充電式で、照明部にはLEDを採用。従来のように配線をつなぐ必要がありません。また、従来の白熱電球より耐久性が飛躍的に上がったほか、LED化によって明るさも大きく向上しました。

 これらの新製品に対して、学生たちからは驚きの声が続出。特にステイコーンについては、強風を吹き付ける実験映像や、実際に手でつかむと根元部分だけが”ぐにゃり”と変形する様子が大きな関心を集めました。また、インターライトと従来の白熱電球の差を比較した展示も注目を集め、学生たちが担当者へ熱心に質問する姿も見られました。

【面白いほど“変形する”?】これが事故に強い「次世代の三角コーン」です(写真で見る)

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