“心臓”を変えただけで!?「凡作」から「WW2最優秀」へ 高性能戦闘機が象徴した航空大国の意地

10月26日は「マスタング記念日」です。1940年の初飛行から85年、最初は低空番長だったフツーの戦闘機が、いかにして第二次世界大戦最高の戦闘機に化けたのか。その意外なロマンをひも解きます。

第二次世界大戦のゲームチェンジャー

 そして1944(昭和19)年初頭に登場したのが、真打ちのP-51Dです。視界が狭かったレザーバック型の胴体を改修して全周視野を持つバブルキャノピーに交換し、主翼再設計で12.7mm機銃を6丁も搭載した重火力型が、量産の主力となりました。これが、私たちもよく知っているP-51D「マスタング」登場までの歴史です。

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P-51が搭載したパッカード社製の「マーリン」エンジン(画像:パブリックドメイン)。

 P-51Dはまさにゲームチェンジャーでした。イギリスに展開したアメリカの戦略爆撃機部隊は、P-51Dの護衛を得て、ベルリン空襲が可能となりました。ドイツ空軍の迎撃機は、「マスタング」に阻まれて爆撃機に近づけず大損害を被ります。日本では硫黄島に進出した「マスタング」が、B-29重爆撃機の主力護衛戦闘機として猛威を振るいます。ドイツと日本、双方の必死の努力を、P-51D「マスタング」はいとも簡単に乗り越えてしまったのです。

 様々な開発段階を経て完成する戦闘機の誕生日を1つに決めるのは難しいかもしれません。でも、85年前の今日、空の戦争を印象づけ、空の帝国アメリカの地位を盤石にした傑作戦闘機が飛び立ったのです。

 ちなみに、この3か月前の1940(昭和15)年7月24日に、日本で零式艦上戦闘機が制式採用されていますが、大戦末期の両機の性能差は大きく開いていました。P-51「マスタング」と零式艦上戦闘機の差、それこそ日米の航空技術力の差と言えるのかもしれません。

【日本にもいた】双子の戦闘機F-82「ツインマスタング」(写真で見る)

Writer:

1973年生まれ、上智大学文学部史学科卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科中退。 雑誌編集者、ゲーム会社ウォーゲーミングジャパン勤務等を経て、各種メディアにて歴史・軍事関連の執筆や翻訳、軍事関連コンテンツの企画、脚本などを手がける。Youtube「宮永忠将のミリタリー放談」公開中。

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コメント

1件のコメント

  1. マーリンエンジン換装だけではなく、ラジエターダクト周りの洗練など機体の改修の行いましたね。また、レイザーバックは、P-47B のような背中の尖った形状のことと認識しています。

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