かつては寝台特急も走った路線が「JR東日本イチの赤字」に 平均通過人員は93%減
JR東日本は、管内における利用が少ない路線(区間)について、2024年度の実績を公表しました。
100円を稼ぐのに「2万2360円」の費用が必要!?
JR東日本は2025年10月27日(月)、管内における利用が少ない路線(区間)について、2024年度の実績を公表しました。
同社は「地域の方々に現状をご理解いただくとともに、持続可能な交通体系について建設的な議論をさせていただくため」とし、2019年度分からデータを開示しています。今回は2024年度の実績に基づき、平均通過人員が2000人/日未満の路線を対象に36路線71区間を開示しました。
100円の営業収入を得るのにどれだけの営業費用を要するかを表す「営業係数」が最も高かったのは、陸羽東線の鳴子温泉~最上間の「22360」です。
陸羽東線はかつて、山形新幹線の整備に伴い、1990年から奥羽本線の改軌工事が始まった際に、奥羽本線を経由していた寝台特急「あけぼの」が陸羽東線経由に変更され、ブルートレインが走ったこともあります。幹線の一部区間が不通になった場合に、迂回路として機能する役割も果たしていましたが、近年ではその役割は薄れていました。平均通過人員はJR発足当初の1987年度から93%減。2024年7月豪雨で被災したため、鳴子温泉~新庄間が運休し、現在は代行バスによる輸送が続いています。
次に営業係数が高かったのが、同じく大雨で被災して運休が続く津軽線の中小国~三厩間で「10649」。続いて飯山線の戸狩野沢温泉~津南間の「10460」でした。





日本人の総人口減少があらゆる分野で影響を及ぼすようになってきている。地方の限界集落が増加し、その限界集落も十数年過ぎて消滅していく。自然現象による洪水、山腹崩落、地震、台風等で、居住エリアでそれが起こると「災害」となら、さらなる人口減に繋がる。人が生活するためのインフラ整備は膨大な予算が必要だが、人口減によって税収が減少し続ける自治体にはもはや体力はない。鉄道事業者も、利用客が減少すれば経営できなくなる。ごく当たり前の現象で、逆らっても必ず疲弊して結局消滅する。かつての観光地概念も変化し続け、全国の風光明媚観光地は既に閑古鳥が鳴き、地元は高齢化で観光地の維持すら不可能になりつつある。人口減はいくら対策しても一時的で根本改善には絶対に繋がらない。自然の摂理だからだ。散在する集落を一か所にまとめ、小規模な街を作り、コンパクトなインフラ整備を進めれば、それらを結ぶ鉄道事業もかろうじて生き残れるかもしれない。